スイス以外ではどんな国で機械式時計を作っているの?

2022.06.10
2019年8月18日 掲載記事

Q:スイス以外ではどんな国で機械式時計を作っているの?

広田雅将

A :現在、機械式時計を大量生産している国にはスイス、ドイツ、日本、中国(含む香港)、ロシアなどがあります。かつてはイギリスやアメリカも時計産業で有名でしたが、前者は工業化に失敗し、後者は高い賃金と強いドルが理由で衰退しました。

 機械式時計の中でもとりわけ高額品の製造は、スイス、ドイツ、日本に集中していますが、それ以外の国も力を入れています。例えば中国と香港は大規模な投資により、高品質な機械式時計を量産できる体制を整えつつあります。
こういったメーカーとしては、香港のメモリジンや中国のシーガルなどが挙げられます。また、フランスのペキニエやチェコのプリムも良質な機械式時計の製造を行っています。

プリム スパルタク

プリム「スパルタク」
日本ではあまりなじみがないが、外装部品の製造とムーブメントの組み立てをチェコ共和国の自社工場で行う、東欧のウォッチメーカーがプリムである。なお、ムーブメントに関してはヒゲゼンマイをドイツ、主ゼンマイとアンクル、インカブロックをスイスから仕入れているが、その他のパーツは自社製造によってまかなっている。写真はプリムを代表する3針モデルのスパルタク。手巻き(Cal.94)。17石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約48時間。SS(直径36mm)。50m防水。27万6000円(税別)。(問)ブレインズ Tel.03-3510-7711