Chronos 11月号(vol.85) 10月3日発売
■第一特集 最先端スペック検証&徹底インプレッション
最強スポーツウォッチの選び方2019
今やスポーツウォッチは限られた分野の人々のためのものではなく、時計業界のスタンダードとなった。なぜスポーツウォッチはこれほどまでに普及し、一般ユーザーにまで浸透したのだろうか?そして、スポーツウォッチを名乗るために必要不可欠な条件とは何なのか?新素材、フリースプラングテンプ、シリコンヒゲ、ハイビートにロングパワーリザーブといった最新テクノロジーの検証に、現行モデルを代表するスポーツウォッチのインプレッションを加えることで、現代における最強のスポーツウォッチ像に迫る。
■第二特集 アイコニックピースの肖像54 ユリス・ナルダン フリーク
2001年のバーゼル・フェアで発表された「フリーク」ほど、今の機械式時計に影響を与えたモデルはないだろう。マニュファクチュール化を目指していたロルフ・シュニーダーはブレゲ賞を得たセントラルカルーセルの量産化を企図。その中で出会ったシリシウムの技術は、以降、時計産業の在り方を大きく変えることとなる。
■第三特集 クォーツ&自動巻きクロノグラフ50周年
1969-2019 奇跡の交錯からの半世紀
1940年代を指して“機械式時計の黄金期”と呼ぶことがある。これは逆説的に、40年代をピークにスイス時計産業は衰退の道を歩み始めたと言い換えることも可能だ。永世中立を貫いたスイスの時計産業は戦後、その生産力に打撃を被ることもなく、作れば売れる状態が続いた。斯くてスイスは一度、技術への研鑽を放棄した。停滞したスイスの時計産業が起死回生を賭けたふたつの大きな潮流。電子時計と自動巻きクロノグラフ。長き基礎研究の日々を経て、1969年という奇跡の年を迎えた瞬間に、さまざまな思惑が一点に交錯することになるのだ。
■腕時計パラノイア列伝 第33回 「唯一無二の時計――ヴティライネン」
今、スイス時計業界において、ムーブメントをはじめ、文字盤、ケースに至るまで内製化を果たし、ごく少量生産ながらも自分のペースでやりたいことを着々と実現する、夢のような独立時計師が存在する。世界中の時計師たちが理想とするカリ・ヴティライネンの時計作りと哲学に迫る。