モンブランの腕時計の特徴とは。その魅力やおすすめのモデルを紹介

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2021.07.29

おすすめのモデル

モンブランのコレクションには、さまざまなモデルが展開されている。その中でも特に人気を集めているおすすめのモデルを紹介しよう。

スター レガシー ニコラ・リューセック クロノグラフ

スター レガシー ニコラ・リューセック クロノグラフ

2008年に初のオリジナルキャリバー搭載機として発表された「ニコラ・リューセック モノプッシャークロノグラフ」に再解釈を加えた誕生した「スターレガシー ニコラ・リューセック クロノグラフ」。ニコラ・リューセックとはフランス宮廷の時計師で、1821年、クロノグラフ装置を開発したと言われている。自動巻き(Cal.MB R200)。2万8800振動/時。パワーリザーブ約72時間。SS(直径44.8mm)。3気圧防水。89万5000円(税別)。

「スター レガシー ニコラ・リューセック クロノグラフ」は、モンブランの中でハイエンドの部類に属するモデルだ。

ルイ18世に仕えた時計職人の名前をモデル名の由来とし、ハイエンドラインにのみ搭載される自社ムーブメントを備えている。モンブランの本気度がうかがえるモデルだ。

斬新でメカニカルなデザインが特徴的で、メインダイアルにはホームタイム表示が備えられ、GMT時計としての高い実用性を誇る。下部にあるふたつのサブダイアルはクロノグラフ用の積算計だ。

プッシュボタンは4時位置に配されており、ひとつのプッシュボタンでスタート・ストップ・リセットが操作可能。ワンプッシュクロノグラフであることも、大きな魅力である。

タイムウォーカー クロノグラフ UTC

コンテンポラリーなデザインで、モータースポーツシーンを表現する「タイムウォーカーコレクション」。厳格な内容で品質を検査する「モンブラン ラボラトリー テスト500」が実施されている。自動巻き(Cal.MB25.03)。25石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約46時間。DLCを施したSS(直径43mm)。10気圧防水。57万4000円(税別)。

「タイムウォーカー クロノグラフ UTC」は、視認性の高いモダンスタイルのインデックスが印象的なモデルだ。

クロノグラフ機能に加えて、3つのタイムゾーン表示を備えたコンプリケーションウォッチである。

利便性に富んだ機能を備えた自社製キャリバーを搭載していることに加え、一瞬でクロノ針が戻る革新的なフライバック機能を備えている。

クロノグラフ針は印象的な赤色とし、先端はミネルバの矢印型を採用している。ステンレススティールケースにはDLC(Diamond Like Carbon)仕上げが施され、全体的にタフな印象を受ける。

高級感のあるスムースレザーベルトが腕元をエレガントに演出し、インダストリアルデザインをコンセプトにしたモダンなデザインは男心をくすぐるだろう。

モンブラン ヘリテイジ オートマティック

モンブラン ヘリテイジ オートマティック

ブリティッシュレーシンググリーンのダイアルに同色のアリゲーターストラップを組み合わせた、ヴィンテージな雰囲気の新しい「モンブラン ヘリテイジ オートマティック」。深いグリーンを、つややかな18Kイエローゴールドのケースが引き立てる。自動巻き(Cal.MB24.27)。25石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約42時間。18KYG(直径40mm、厚さ11mm)。5気圧防水。94万6000円(税別)。2020年6月発売予定。

「モンブラン ヘリテイジ オートマティック」は、グリーンのダイアルと18Kイエローゴールドのケースが美しいモデルだ。

ドーフィン針や「ヘリテイジ」コレクションの特徴であるドット型のインデックスも、イエローゴールドに統一されている。時分針にはスーパールミノバ加工が施され、視認性にも配慮している。

ダイアルと同じブリティッシュレーシンググリーンのストラップはイタリア・フィレンツェにある自社工房で製作されたもの。美しいグラデーションも印象的なストラップだ。

緩やかなカーブを描くケースやドーム型の風防、グレイン加工のアワーリングは「ヘリテイジ」コレクションに共通するデザイン。グリーンのカラーリングでヴィンテージ感を増した新しい「モンブラン ヘリテイジ オートマティック」は2020年6月発売予定となっている。

モンブラン 1858 オートマティック

モンブラン 1858 オートマティック

これまで時計の進化はケース素材が変化しないことを求めてきた。しかしモンブランは「モンブラン1858」で、時計で初となるブロンズを採用。経年変化することの面白さを提案し、瞬く間に人気モデルとなった。ストラップはフィレンツェにあるモンブランのペレッテリアで製作。コニャックカラーのカーフスキンを採用し、ベージュのステッチが施される。自動巻き(Cal.24.15)。26石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約38時間。SS(直径44mm)。3気圧防水。40万円(税別)。

「モンブラン 1858 オートマティック」は、往年のミネルバ製の懐中時計を彷彿とさせるヴィンテージ感を堪能できるモデルである。

パーツの素材は、ケースにステンレス、ベゼルとリュウズにブロンズが採用される。使うほどに微妙な色の風合いを楽しめる素材として知られており、ブロンズ好きな人には特におすすめだ。

裏蓋にはジュラ山脈の前に立つミネルバ マニュファクチュールの刻印が施され、ミネルバのシンボルである槍を模した矢印もあしらわれている。

ミネルバへのオマージュと、シンプルなブロンズが印象的な逸品といえるだろう。


メンテナンスについて

モンブラン時計の価値ある美しさを長持ちさせるには、定期的な点検が重要だ。モンブランが推奨するメンテナンスを理解しておこう。

防水性と磁気

防水性のチェックは3年ごとに実施しよう。スポーツシーンでの装着や、水との接触が多い場合は、1年ごとのチェックが必要だ。

防水性能を装備しているモデルを装着し、海やプールで泳いだ後は、時計とステンレスのブレスレットをぬるま湯で洗い、冷たい水道水で流した後、柔らかい布で拭き取るか自然乾燥させよう。

また、時計はテレビ、ラジオ、パソコンなどに備わる磁石をはじめ、あらゆる磁場から影響を受ける。機械式のムーブメントは磁場により精度が落ちることがあるため、特に注意しよう。

コンパスを使えば、磁場を確認することが可能だ。針が反応し磁場の影響がある範囲内には、長く留まらないよう心掛けよう。

推奨されるケア

自動巻き式または手巻き式時計を一定期間身につけていない場合は、20回程度リュウズを回して完全に巻き上げよう。手巻き式の場合は精度を維持するため、できれば毎日同時刻にリュウズを巻くことをおすすめする。

デイト表示等のカレンダー機構搭載モデルの場合、午後8時から午前2時の間は、時間および日付を変えないようにしよう。この時間帯は時計自身が日付を変えるため、内部でパーツが動いている。ここに人為的な力が加わることによりムーブメントに損傷を与える可能性があるからだ。

また、60℃以上または10℃以下の場所には、時計を置きっ放しにしないようにしよう。

さらに、時計をしている腕には、時計表面の磨き仕上げを守るためにも、他のジュエリーを身につけないようにすることをおすすめする。


歴史や魅力を知ったうえで時計を選ぶ

高級万年筆で有名なモンブランは、スイスの老舗時計メーカーであるミネルバを傘下に収め、万年筆に匹敵する品質の時計を創出し、時計の分野においても他の名門と肩を並べるほどの知名度を獲得している。

モンブランの歴史やコレクションの特徴を理解し、魅力あふれるモンブラン時計からお気に入りの1本を見つけてみよう。


川部憲 Text by Ken Kawabe