A.ランゲ&ゾーネ初のスポーティーモデルとなる「オデュッセウス」。スポーツウォッチブームに乗っただけの安直な新製品と思いきや、A.ランゲ&ゾーネらしい明快なコンセプトと、入念な仕立てを持つ時計だった。その全容を本誌編集長がリポートする。
A.ランゲ&ゾーネ「オデュッセウス」
A.ランゲ&ゾーネ「オデュッセウス」
スポーツウォッチ並みの性能と、薄いパッケージングを両立させた新コレクション。新規開発の自動巻きムーブメントを搭載する。自動巻き(Cal. L155.1 DATOMATIC)。31石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約50時間。SS(直径40.5mm、厚さ11.1mm)。120m防水。310万円(税別)。2019年11月以降発売予定。ただし2020年3月までは全世界のA.ランゲ&ゾーネ ブティックのみで展開予定。
スポーツウォッチ並みの性能と、薄いパッケージングを両立させた新コレクション。新規開発の自動巻きムーブメントを搭載する。自動巻き(Cal. L155.1 DATOMATIC)。31石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約50時間。SS(直径40.5mm、厚さ11.1mm)。120m防水。310万円(税別)。2019年11月以降発売予定。ただし2020年3月までは全世界のA.ランゲ&ゾーネ ブティックのみで展開予定。
広田雅将(クロノス日本版):文
Text by Masayuki Hirota (Chronos-Japan)
Text by Masayuki Hirota (Chronos-Japan)
ランゲ初めての“ラグジュアリースポーツ”
A.ランゲ&ゾーネから、ブランド初となるステンレススティール製のラグジュアリースポーツモデル(正確にはスポーティーモデル)が発表された。A.ランゲ&ゾーネの関係者曰く、「紆余曲折を経て生まれた時計」。だからという訳でもないだろうが、この時計には、「オデュッセウス」という名称が与えられた。言わずと知れた、ホメロスの叙事詩『オデュッセイア』の主人公である。
トロイア戦争でイタキに勝利をもたらした彼は、故国を目指して航海を開始した。しかし、嵐に見舞われて南に流され、イタキに戻るためにさまざまな苦難を重ねた。その歩みはなるほど、オデュッセウスが商品化されるまでの困難を思わせるが、同時にこの時計が過酷な旅にも耐えうるキャラクターであることを暗示している。
A.ランゲ&ゾーネは、初のスポーティーウォッチに、今までにない明快な特徴を盛り込んだ。ブレスレットまで含めてステンレススティール製であること、高い実用性を持つこと、そして最新のスポーツウォッチに比肩するムーブメントを載せたこと、の3点だ。
ケースサイドから見たオデュッセウス。リュウズガードのように見える突起は、右側(2時位置側面)が日付の調整、左側(4時位置側面)が曜日の調整を司る。それぞれの突起には三角形状のガイドが内蔵されており、強い衝撃を受けてもボタンがずれないようになっている。