2019年新作のブレゲ「クラシック トゥールビヨン エクストラフラット スケルトン 5395」を解説

FEATUREWatchTime
2019.10.31

ブレゲの「クラシック トゥールビヨン エクストラフラット スケルトン 5395」は、トゥールビヨンと独自のスケルトン構造という、ブレゲにとって象徴的な発明を組み合わせた時計と言えるだろう。
今回はブレゲの自社製トゥールビヨン搭載ムーブメント、Cal.581SQを採用したこの薄型時計を解説する。

ブレゲ「クラシック トゥールビヨン エクストラフラット スケルトン 5395」

ブレゲ「クラシック トゥールビヨン 5395」Ref.5395BR/1S/9WU

ブレゲ「クラシック トゥールビヨン エクストラフラット スケルトン 5395」
自動巻き(Cal.581SQ)。33石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約80時間。18KRG(直径41mm、厚さ7.70mm)。3気圧防水。2439万(税別)。
Originally published on watchtime.com

肉抜きと美しい仕上げ

 外観の美しさを最優先することに重きを置いたCal.581SQは、他のブレゲのクラシックコレクションのタイムピース以上に、視覚的に鑑賞者の心に訴えかける要素を有している。18Kゴールドの地板と受けを肉抜きすることで、ムーブメントの構造をつまびらかに見せるのだ。その割合はベースの状態から50%にも及ぶ。

 残された地板部分には、バイトの先端にダイヤモンド粒子を使った手動のギヨシェマシンによって、クル・ド・パリ模様が施されている。地板のシャープなエッジには、忍耐力が求められる手作業によって、やすりを使って面取りがなされ、45度の角度に仕上げられる。そこにやはり手作業による素晴らしいエングレービングによって、表示や縁取りがなされていく。

 文字盤側の外周に備えられたサファイアクリスタルディスクにはブルーに仕上げられた18Kゴールド製のアプライドインデックスがローマンインデックスプリントとともに配される。そして、同作にもブランドのシグネチャーである青焼きのブレゲ針が中心に据えられる。

クラシック トゥールビヨン エクストラフラット スケルトン 5395

スケルトン加工がなされたキャリバー581には、構造が見直されたトゥールビヨンが搭載されている。

ブレゲの粋を結集した薄型トゥールビヨンムーブメント

 厚さわずか3mm、トゥールビヨンキャリッジの重量が0.290gという自動巻きムーブメント、Cal.581SQの巻き上げにはムーブメント外周部に配されるペリフェラルローターが用いられる。そのため極限まで優美さを保ちつつ、同時にスケルトン加工が施されたムーブメントがよく鑑賞できるようになっているのだ。

 大きめの香箱によって、2万8800振動/時という高振動と約80時間のパワーリザーブを両立している。Cal.581SQの要とも言うべきトゥールビヨンは、「クラシック トゥールビヨン エクストラフラット オートマティック 5367」や「クラシック トゥールビヨン エクストラフラット オートマティック 5377」のCal.581とは作りが異なる。Cal.581SQでは、チタン製キャリッジが、キャリッジ全体を回転させるカナを介さずに、輪列に直結されているのだ。さらにシリコン製脱進機は特徴ある角度のついた形状で、スペースを節約する要素のひとつとなっている。

クラシック トゥールビヨン エクストラフラット スケルトン 5395

スリムなペリフェラルローターは、ムーブメントを遮ることなく見せている。

 ブレゲのクラシック トゥールビヨン エクストラフラット スケルトン 5395は、18Kローズゴールドケースとプラチナケースの2モデルで展開される。ストラップはどちらのモデルでもアリゲーターのレザーストラップに、ゴールド製フォールディングバックルが合わせられている。


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