中央の淡い色調から外周部に向かって濃い色に移り変わっていくグラデーション文字盤。これまでにもいくつもの美しいグラデーション文字盤が作り出されてきた。今回は2019年に発表されたモデルを中心に、特に際立っていた5本を選んで紹介する。
オリス
「アクイスデイト」
これまでさまざまなバリエーションで展開してきたアクイス・コレクションに、オリスはミントグリーンからグレーに至るグラデーションのダイアルを追加した。ライトグレーのインレイを持ったタングステン製ベゼルと組み合わされ、新鮮な外観を提案している。自動巻きムーブメントに搭載されたオリスの特徴である赤色のローターが、ステンレススティール製ケースの中で回転する。ケースはサファイアクリスタル風防とクローズドバックを備え、防水性は300mを持つ。
ジラール・ペルゴ
「ロレアート アブソルート クロノグラフ」
「ロレアート アブソルート クロノグラフ」の文字盤は、揺らめくようなブルーの中央から、ブラックの縁部分へとその色合いを変えていく。このカラーグラデーションは、ブラックのサブダイアルを備えたクロノグラフと組み合わせられることで、より精悍な印象を与える。直径44mmのPVD加工を施したチタン製ケースには、自社製自動巻きキャリバーGP03300-1058を搭載。ラバーストラップには、装飾性豊かなステッチが施されている。
H.モーザー
「エンデバー・トゥールビヨン コンセプト コズミックグリーン」
スイスのシャフハウゼンに拠点を置くマニュファクチュールのH.モーザーは、フュメと呼ばれる文字盤を得意とし、カラーグラデーションのパイオニアと言えるだろう。2019年に発表したエンデバー・トゥールビヨン コンセプトは、「コズミックグリーン」で展開されている。インデックスや数字の一切を省いたグラデーション文字盤はとにかく美的観点で楽しみたい。直径42mmのホワイトゴールド製ケースに収められるのは自動巻きキャリバーHMC 804で、ダブルヘアスプリングを採用し、約72時間のパワーリザーブを保持している。世界限定20本モデルとして発表された。
グラスヒュッテ・オリジナル
「シックスティーズ・アニュアルエディション」
2018年に発表されて話題を呼んだグリーン文字盤に続き、グラスヒュッテ・オリジナルは前作と同じタッチのオレンジカラーモデルを発表した。この文字盤は同ブランドがドイツのフォルツハイムに所有する文字盤製作工房で作られたものだ。不規則にエンボス加工された文字盤上にレッドとブラックのラッカーを施したのち、ガルバニック処理用の溶液に浸すという特殊な技法が施され、それによって独特なグラデーションが生まれている。直径39mmのステンレススティール製のケースに搭載されるのは、自社製自動巻きキャリバー39-52だ。2019年に発表された。
モンブラン
「モンブラン 1858 ジオスフェール リミテッドエディション 1858」
異質なワールドタイムのアプローチを試みる「モンブラン 1858 ジオスフェール」。2019年に採用されたグリーンモデルはその世界観を表すのに非常に効果的だろう。この時計は9時位置の第2時間帯表示と共に、文字盤上下に24時間表示式の地球の南北それぞれの半球を描く。直径42mmのケースにはセラミックス製コンパスベゼルと、エングレービングが施されたチタン製ケースバックを備える。ムーブメントのベースはセリタの自動巻きキャリバーSW300で、モンブランの自社製タイムゾーンモジュールが組み合わされている。世界限定1858本モデルとして発表された。