グルーベル フォルセイは、職人の手作業による伝統的な時計製造の伝統技術を継承することにも力を注いでいる。新作「ハンドメイド 1」は、グルーベル フォルセイの哲学を色濃く具現化させたものだ。
グルーベル フォルセイ 「ハンドメイド 1」
高級時計ブランドのグルーベル フォルセイは、職人の手作業による伝統的な時計製造の極致を世に伝えるために、他の有名ブランド以上の多くのことを行ってきた。共同創業者のロベール・グルーベルとステファン・フォルセイは、かつての時計職人の仕事の多くが機械に取って代わっている業界において、手作業の時計作りを擁護する姿勢を見せる。熟練の技巧を守り続けるために、ふたりは高い理想をともにするマスターウォッチメーカー、フィリップ・デュフォーとともに「“Garde-temps”-Naissance d'une Montre(時を計る時計の誕生)」プロジェクトを立ち上げ、何世紀にも渡り受け継がれてきた伝統技術を継承することにも力を注ぐ。
新作「ハンドメイド 1」は、グルーベル フォルセイのその哲学を色濃く具現化させたものだ。
職人の手作業による伝統的な時計製造の極致を伝えるための時計
グルーベル フォルセイによると、「ハンドメイド 1」のヒゲゼンマイを含む約95%は手持ち工具によって作られているということである。完成までに要する作業時間は約6000時間だ。ひとりで仕上げるならば約3年分に相当する。グルーベル フォルセイでは、熟練職人によるチームを立ち上げ、同時に社外の才能ある人々にもこの計画に加わるように求めた。時計はムーブメントからケース、レザーストラップ、文字盤や針に至るまで手作りである。一部の例外はサファイアクリスタル、パッキン、石、主ゼンマイなどである。
ハンドメイド 1は、トゥールビヨン搭載機だ。ケースサイズは直径43.5mm、厚さ13.5mm、素材は18Kホワイトゴールド製で、パンタグラフ式機械旋盤を使用して製造される。ケースのサイドはサテン仕上げ、表面はポリッシュ仕上げが施されている。
外観は、まさしくグルーベル フォルセイの時計という、ブランドのDNAを感じ取れるものだ。文字盤の独特な開口部にフロステッド仕上げの受けと地板、スモールセコンドの文字盤、そしてトゥールビヨンのブリッジなどがまさにそれである。文字盤外周には手仕上げのエナメル加工が施されたチャプターリングが配され、青焼きされたスティール製の針があしらわれている。
ムーブメント製造は調速機構から手掛けられ、ヒゲゼンマイはローリングミルを使用して圧延した後、手で巻き上げられる。ガンギ車は20の歯を1枚ずつカットしており、その表面は最高水準の仕上げだ。アンクルに関しては、成形から仕上げまでに1カ月半を要する。ムーブメントは手巻きで、パワーリザーブは約60時間となっている。
トゥールビヨンのキャリッジは、通常のものより多い69のパーツで構成されている。すべてのパーツが伝統的な工具で作られているため、CNC旋盤を使用したような形状の複製を作り出すことは難しいからだ。同様にどの部品も手作業で仕上げられている。ブリッジは入り角、出角ともにポリッシュ仕上げとなっており、ブリッジにはグラッテ(Gratté)と呼ばれる刷毛を引いたような独特な仕上げが施されている。また歯車の両側には、ハンドポリッシュで面取りが行われている(5本のスポークを持つ歯車には40カ所のシャープな内角がある)。
以上のように、時計1点に約6000時間もの作業時間を要するのであれば、年産本数は非常に限られる。グルーベル フォルセイでは、年間生産本数は2~3点であろうと予想している。価格はまだ発表されていないが、おそらく70万から90万スイスフランと推測される。
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