米・ニューヨーク、マンハッタン中心部のゴッサムホールで2019年10月に行われたラグジュアリーウォッチの祭典、WatchTimeNY。2019年は過去最大級の37ブランドがこのイベントに参加した。ゴールドウォッチに興味がある人に向けて、その展示の中から、ゴールドの美しさを引き出した5つのモデルを紹介する。
Text by Mark Bernardo
2019年12月初出
ブランパン
「フィフティ ファゾムス オートマティック」
ブランパンのラグジュアリーダイバーズウォッチ、レッドゴールド製ケースを採用したフィフティ ファゾムスは、同コレクションで初となるブルーセラミックスの文字盤を備え、直径45mmの18Kレッドゴールドケースは300mの防水性を保持する。セラミックス文字盤の中央はサンバースト仕上げによってきらめくコバルトカラーをしており、その外周部分のリングはマットなブルーの色調となっている。これまでセラミックスはベゼルにのみ使用されており、本作のようなセラミックス製文字盤の採用も、フィフティ ファゾムスにとっては初めてである。ブランパンの自社製ムーブメント、自動巻きキャリバー1315が搭載され、約120時間のパワーリザーブを誇る。
F.P.ジュルヌ
「オクタ・オートマチック リュヌ」
F.P.ジュルヌはオクタ・オートマチック リュヌ ハバナを2017年に発表。この独立系ウォッチメーカーは、2019年に新しいリュウズとケースサイズを備えたムーンフェイズウォッチを投入した。直径40mmまたは42mmのサイズが、プラチナまたは18Kローズゴールド製ケースで展開され、フラットなリュウズにはシルクロープのモチーフが採用される。文字盤はシルバーまたは画像のハバナブラウンが用意されている。文字盤外周のミニッツスケールはレイルロードトラックとなっており、ブルーまたはゴールドでプリントされたアラビア数字、センターにはギヨシェ彫りのクル・ド・パリ模様があしらわれている。9時位置には約120時間パワーリザーブ表示が設けられ、7時位置にはムーンフェイズ表示が、新しく採用されたサファイアクリスタル製ディスクに描かれている。搭載するのは、F.P.ジュルヌの自社製キャリバーで、ローズゴールド製のパーツが使われている。
ジャケ・ドロー
「グラン・セコンド デュアルタイム」
ジャケ・ドロー「グラン・セコンド デュアルタイム」コレクションから、文字盤デザインの更新版が4種類発表された。ケースサイズはすべて直径43mmで、その中にはレッドゴールド製ケースも含まれている。時計はすべてグラン・セコンドの特徴である8の字の文字盤レイアウトを踏襲しているが、北極から眺めた地球が投影されたものが、文字盤下半分に配されるという新しい外観的要素が加えられている。地球上に描かれた大陸の周りの海は、ブラックまたはアントラサイトのミラーポリッシュ仕上げで表現されている。それに加え、24時間のホームタイム表示は、しっかりと12時間ごとにふたつに分けられている。ホワイトは昼、ブラックは夜を示すことにより、直感的な視認が可能となっているのだ。ムーブメントは、キャリバーJaquet Droz 2663H24で、シリコン製ヒゲゼンマイやアンクルの先端を備えるとともに、オープンワークによって、ファンのような形状をしたローターや、地板に施されたペルラージュ仕上げやブリッジに装飾されたコート・ド・ジュネーブの仕上げを鑑賞することができる。
MB&F
「レガシー マシーン No.2 レッドゴールド ブルー」
MB&Fの「レガシー マシーン No.2(LM2)」のムーブメントは2013年に、MB&Fと独立時計師のカリ・ヴティライネン、ジャン-フランソワ・モジョンとの共作として発表された。前作のチタンモデルに次いで世界限定12本として発表されたのが、この18Kローズゴールドモデルだ。フライングバランスホイールを採用し、このレッドゴールド ブルーでは化学蒸着法(CVD)によるサンレイ仕上げのブルー文字盤によって、オリジナルのLM2をさらにエレガントに昇華させている。本作は、デュアルレギュレーターの平均速度がディファレンシャルギアで単一の歯車列に伝達するメカニズムを採用している。これらの要素を、時分表示を行うオフセンターのホワイトラッカー仕上げのサブダイアルと共に文字盤に打ち出している。
オメガ
「シーマスター ダイバー300M クロノグラフ」
2019年のオメガ、シーマスター ダイバー300M クロノグラフのラインナップには直径44mmのセドナゴールドモデルが含まれている。セドナゴールドはオメガが自社開発したゴールド、銅、パラジウムの合金で、レッド系の輝きが持続することが特徴だ。時計には、ブラックセラミックスにレーザーでインデックスを浮き上がらせたダイビング用逆回転防止ベゼルが合わせられ、12時位置にはスーパールミノバが施された方向を示すドットが配されている。クロノグラフのプッシャーも同じくセラミックス製だ。サファイアクリスタル製ケースバックから鑑賞できるケース内部には、既存キャリバー9900をベースとしたオメガのコーアクシャル マスター クロノメーター キャリバー9901が搭載され、ローターとテンプのブリッジは18Kセドナゴールド製である。
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