一流のセレブたちは一体どんな腕時計を選ぶのか? 世界のセレブたちのプライベートなワンシーンを切り取り紹介する連載コラム「セレブウォッチ・ハンティング」。今回は、2019年のラグビーワールドカップで日本代表を初のベスト8進出に導いた立役者のひとり、稲垣啓太選手が選ぶ腕時計を紹介しよう!
稲垣啓太選手
稲垣啓太選手は1990年生まれ、新潟市出身。ラグビーは中学生の頃から始め、関東学院大学では主将を務めた。その後パナソニックワイルドナイツへプロ選手として加入し、2015年にラグビーワールドカップの日本代表に選出されている。19年の日本大会スコットランド戦で決めた勝ち越しトライを覚えている人も多いだろう。あれは彼の代表7年目にしての記念すべき初トライでもあった。ポジションは「プロップ」、縁の下の力持ちとしてチームを支える役割だ。がっしりした体格、そしてポーカフェイスな印象に対して、ギャップを感じさせる実像が多くの人の心をつかみ、現在ではメディアに引っ張りだこの人気ぶり。南アフリカ戦後の“最後の円陣”で見せた男泣きや、地元の母校に天然芝を贈った行動からは、律儀で熱く、地元愛溢れる人柄がうかがえた。
稲垣選手は自他共に認めるファッショニスタとしても知られる。今回ピックアップした写真は、日本メンズファッション協会主催「第48回 ベストドレッサー賞」の授賞式に特別ゲストとして来場した際の1枚だ。フォーマルな装いは全て彼の私物によるもの。合わせられた腕時計は、カルティエ「サントス ドゥ カルティエ」だ。
カルティエ「サントス ドゥ カルティエ」
さまざまなシチュエーションで使えるインフォーマルウォッチ、サントス
1904年、カルティエ3代目当主ルイ・カルティエが、ブラジル人飛行家のアルベルト・サントス=デュモンのためにより作り上げたモダンウォッチの祖、「サントス」リストウォッチ。懐中時計が使われていた時代を背景に、操縦桿から手を離すことなく時間を確認したいというサントス=デュモンの要望を受け、バックルとベルトで時計を腕に留めるアイデアが考案されたことがその始まりだ。“伊達男”とも称され、細身の服を好んだサントス=デュモンのために作られた腕時計は、現在の後継機までその性格が受け継がれている。
薄いケースに、カジュアルでもフォーマルでも使えるディテールを備えた“インフォーマルウォッチ”として、さまざまな用途で使えるサントス。その多目的性を強調したのが、2018年に発表された「サントス ドゥ カルティエ」である。最大の特徴は、簡単にストラップを交換できる「クィックスイッチ」システムの採用だ。シチュエーションに応じて、時計の見栄えを変えられる特性が、アクティブな日常を送りながらも、華やかな集まりに呼ばれる機会が増えた稲垣選手に好まれたのかもしれない。
「ベストドレッサー賞」授賞式に登壇した際、「ワールドカップを終えて、色々なメディアに多数出演している。このブームをブームで終わらせず、文化として根付かせられるよう、我々も頑張っていかないといけない」と述べた稲垣選手。厳しいトレーニングと数多くのメディア出演をこなし、人前で話す機会があれば自らの自負を明確に伝える。そんな稲垣選手が自身の相棒に選んだのが、マルチパーパス性の高い「サントス ドゥ カルティエ」なのだ。