2018年12月13日の正式発表以来、webChronosでも紹介を続けてきた“金無垢G-SHOCK”こと、「G-D5000-9JR」の工場出荷が19年12月より開始された。今回は記念すべき納品第1弾が香川県高松市にある名店、アイアイ イスズに届けられる様子をレポートしよう。
Text & Photographs by Yuto Hosoda(Chronos-Japan)
カシオ「G-SHOCK」G-D5000-9JR
1983年にデビューを飾ったG-SHOCKにとって、2018年は誕生35周年にあたる。このアニバーサリーイヤーのラストを飾るべく、同年12月13日に渋谷で開催されたのが「G-SHOCK FAN FESTA SHIBUYA 2018」だ。そして同イベントでは大きなサプライズが用意されていた。それがDW-5600の18Kイエローゴールドケースとブレスレット仕様である“金無垢G-SHOCK”こと、「G-D5000-9JR」の製品化発表である。
なお、同作に関してはジャーナリストの渋谷ヤスヒト氏による『「伝説」に新たな1ページを加えるG-SHOCK金無垢モデルがついに製品化』や『誰がどう着けこなす!? 770万円、世界限定35本の“究極G-SHOCK”』に詳細な情報が載っているほか、時計ライターの髙井智世氏による『四国・高松「アイアイ イスズ」の飯間康行氏に聞く/時計の賢人、その原点と「上がり時計」』では“金無垢ケース仕様G-SHOCKの誕生秘話”が語られているため、そちらも参照願いたい。
“金無垢G-SHOCK”がアイアイ イスズに納品
厳重なセキュリティーの下、アイアイ イスズに到着
そんなwebChronosにとっては2018年12月から1年にわたってその情報を追い続けてきた18KYG仕様のG-SHOCKが、ついに19年12月より随時納品されることとなった。記念すべき出荷第1弾のうちの1本は、金無垢G-SHOCK誕生のきっかけともなった、香川県高松市のアイアイイスズに納められた。
金無垢G-SHOCKは山形カシオからジュラルミンケースに保護されて13時頃に店舗へ運ばれてきた。メーカーから販売店に納品する際、こんな大きなケースに腕時計を1本だけ入れて送ることはまれだろう。それも中に入っているのはあの“建物の3階から落としても平気”なG-SHOCKなのだ。
しかもこのジュラルミンケース、ただのボックスではない。運送中に万が一、盗難や紛失があった場合のため、GPSが搭載されているのだ。また、第三者が勝手にボックスを開けられないよう、送り主があらかじめ4桁のパスワードを設定している。そのため今回の受け取り人であるアイアイ イスズHDの飯間康行代表取締役でさえも、単独での開封は不可能だ。
当日はカシオから4人がこの場に立ち会うために来店。その内のひとりがパスワードを飯間氏に伝え、飯間氏が開封するという流れだった。数多くの高級ブランドを取り扱ってきた飯間氏でさえも、これほど厳重なセキュリティーを伴う納品は初めてだと言う。
カシオの担当者は「これまで扱ってきた時計の中でこれほど高額な商品は前例がなかったため、さじ加減が分からなかった」と冗談っぽく語ったが、それだけこの限定モデルが同社にとって特別なモデルであるということだろう。確かに770万円の腕時計は高額商品だが、単に高いというだけではここまで運搬に慎重にはならなかったはずだ。G-SHOCK 35周年のシンボルとして採算を度外視してまで作ったモデルだからこそ、思い入れも強く、万全を期すようなかたちでこのような方法をとったに違いない。
高級感あふれる桐箱の中には……
ジュラルミンケースの中に入っていたダンボールを取り出し、開封すると黒い箱が出てくる。さらにこの箱を開けると中には桐箱が収まっていた。桐箱には「CASIO」と「G-SHOCK」のロゴとともに「DREAM PROJECT 1 out of 35」の文字が焼き付けられており、一目でただのG-SHOCKとは異なるモデルであることが伝わってくる。
この高級感あふれる桐箱の蓋を開けて金無垢G-SHOCKとご対面、と思いきやそこに鎮座していたのはなんと南部鉄器(!!)。G-SHOCKの保管用ケースに南部鉄器の鉄瓶を使用するというアイデアはG-SHOCKの生みの親にして、本作の製作も主導した伊部菊雄氏によるものだ。カシオの担当者によれば、伊部氏には「国産時計らしく、和のテイストをどうしても入れたい」という思いが強く、この南部鉄器を製作する職人も伊部氏自身が探してきたとのこと。
南部鉄器の鉄瓶の中から巾着袋を取り出すと、ついにG-D5000-9JRが姿を現した。プロトタイプや写真を見る機会はこれまでにもあったが、実機はこれが初めてだ。その質感やブレスレットのコマの詰まり具合などが気になるところだが、35本すべての嫁ぎ先がすでに決まっているため、保護用のラッピングで包まれた状態を見ることしかできなかった。実機を手にとって隅々まで鑑賞できるのは、選ばれし35人のみということだ。
18KYG製の外装はもちろん、それを収める南部鉄器の“鉄瓶ケース”、そして桐箱まで、何から何までスペシャル感が漂うG-D5000-9JR。許されることならば、次は実際に入手にすることのできた幸運な愛好家に実機を見せてもらいつつ、この究極のG-SHOCKを手にすることができた感想を聞いてみたいものだ。
アイアイ イスズHD代表取締役 飯間康行氏
・「伝説」に新たな1ページを加えるG-SHOCK金無垢モデルがついに製品化
https://www.webchronos.net/features/28439/
・誰がどう着けこなす!? 770万円、世界限定35本の“究極G-SHOCK”
https://www.webchronos.net/features/28811/
・四国・高松「アイアイ イスズ」の飯間康行氏に聞く/時計の賢人、その原点と「上がり時計」
https://www.webchronos.net/features/36414/
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