モーリス・ラクロア「アイコン・ベンチュラー」
オートマティックモデルが投入されて以降、急速に高い支持を獲得しているモーリス・ラクロアの「アイコン」コレクション。2016年の登場以来、多彩なモデルを展開し、19年には新たに「アイコン・ベンチュラー」が加わった。今回はこの新モデルのクオリティをじっくりと検証していく。
人気シリーズ「アイコン」に追加されたダイバーズウォッチ
近年、モーリス・ラクロアはコレクションを大幅に整理し、代わりに新たなフラッグシップである「アイコン」に注力している。2016年に発表されたクォーツモデルに始まり、以後、ブランドは同コレクションを徐々に拡充。リーズナブルな価格帯を維持しながらも、昨今のトレンドであるスポーティーウォッチにフォーカスした明確なデザインを展開している。そして19年は、このコレクションにダイバーズタイプの新モデル「アイコン・ベンチュラー」を追加。2種類のカラーバリエーションをラインナップし、いずれもブレスレットとラバーストラップが付属している。
「アイコン・ベンチュラー」は、ダイバーズ・モデルを有していたモーリス・ラクロアの傑作「カリプソ」の流れをくむと言えるだろう。「カリプソ」は1990年代に人気を博したモデルで、「アイコン・ベンチュラー」にもいくつかのデザインコードが踏襲されていることが分かる。しかも300mの防水性能を実現し、時計にはセラミックインサートの逆回転防止ベゼル(ベゼルとタブはステンレススティール製)を装備。ケースには、さまざまなポリッシュ仕上げとサテン仕上げを組み合わせ、美しい佇まいとなっている。
ケースサイズは直径43mm、厚さ11.6mmだが、ブレスレットやラバーストラップがケース一体型となっていることで、実際よりも小ぶりに見える。ブレスレットやラバーストラップはケースに組み込まれているようにも見えるのだが、実際には独自の「イージーチェンジャブルシステム」を採用。これは2本のバーによって構成されるシステムで、専用工具を使用することなく好きなときにストラップを交換できるという大きなメリットを持つ。
ダイアルはブラックとブルーの2種類。いずれも魅力的なサンバースト仕上げが施され、目を引きつける。バトン型の時分針とともに、アワーマーカーにも蓄光塗料が施され、またラウンドとバーを規則的に配置したインデックスによって判読性を高めている。また、ダイアルの3時位置にはデイト表示が設けられており、日常使いにも便利だ。
搭載するのはセリタCal.SW200-1をベースとする自動巻きムーブメントCal.ML115で、約38時間のパワーリザーブを実現。ねじ込み式のケースバックには波模様が施され、その中央にMのロゴが浮かび上がるデザインになっている。
価格は24万5000円となっており、素晴らしい仕上げと魅力的な佇まい、しっかりとした防水性能を実現している点を踏まえると、その費用対効果は高い。スポーティーウォッチというカテゴリーにおけるリーズナブルな価格設定は、「アイコン・ベンチュラー」を成功に導く要素と言えるだろう。
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