1957年に登場したゴールデンホースは、ラドーのブランド名義でもって初めてシリーズ化されたトピック的なコレクション。2019年初め、ラドーは名作と名高いキャプテン クックなどを始めとする、ヴィンテージピースに着想を得たゴールデンホースの37㎜をトラディション・ラインに投入した。さらにその最新作では42㎜径の自動巻きキャリバーと、ラドーの名を世界へと広める契機となったハイテク素材を擁したバリエーションを追加し注目を集めている。
Text by Mark Bernardo
Edit by Tsuyoshi Hasegawa
ラドー「ゴールデンホース」
42㎜径のゴールデンホース オートマティックは、サテンとポリッシュ仕上げを施したケースに、シルバーもしくはダークグレイ、ブルー、グリーンの文字盤、そしてクロコダイルの型押しによるカーフレザー・ストラップ、及び3連のステンレススティール製ブレスレット、ミラネーゼスタイルの「ライスグレイン」ステンレススティール製ブレスレットをそれぞれ組み合わせたラインナップにて提案されている。このモデルの特徴としてまず目を引くのが、エングレービングを施したベゼルや赤色ラッカーの上に描かれたアンカー型エンブレム、3時位置の赤文字のデイト表示、それとモデル名の由来である2匹のタツノオトシゴのモチーフだ。ボックスシェイプのサファイアクリスタル製風防の下には、軌道に乗って円を描くドーフィン針とアプライドアワーマーカーを配した文字盤が据えられている。また、12時位置のラドー・ロゴの上部に配された、ブランドの象徴でもある、赤いサークル内に揺れるアンカーモチーフも、このモデルを語るうえで見逃せないポイントだ。
ラドーのお家芸ともいえるハイテクセラミックス。最新のゴールデンホースには、まだまだ希少なその先進素材をゴールデンホースのベゼルに採用している。ハイテクセラミクスをベースとするローズゴールドカラーのセラモスは、セラミック90%とメタル10%を混合した合金で、金属的な光沢と耐傷性に優れているところに特徴がある。もうひとつのポイントとして挙げられるのが、ポリッシュ仕上げのプラズマ ハイテクセラミックス製ベゼル。これはラドーによって1998年に時計業界へもたらされた新素材であり、軽量性、耐久性と長持ちする光沢に大きな特徴がある。
チタン製ケースバックにはめ込まれたサファイアクリスタルからは、25石、約80時間のパワーリザーブを誇る自動巻きムーブメント、ETA C07.611が観賞できる。ブレスレット及びストラップには、ラドーのクイックチェンジシステムであるイージークリップを搭載。価格は21〜22万円。