「ロイヤル オーク オフショア」は、世界3大時計ブランドのひとつであるオーデマ ピゲの主要コレクションであり、マッシブなプロポーションを持つ高級腕時計の代表格だ。男性的な高級腕時計として見逃せない「ロイヤル オーク オフショア」の魅力や現行の主要モデルを紹介しよう。
オーデマ ピゲの概要と主なコレクション
時計業界をリードする偉大な歴史を持ち、数あるコレクションのなかでもとりわけ「ロイヤル オーク」や「ロイヤル オーク オフショア」は、高級腕時計に対する価値観を一変させるほどのインパクトを与えた。
ここでは、オーデマ ピゲの概要や主要コレクションについて見ていこう。
世界3大時計ブランドのひとつ
オーデマ ピゲは、1875年にスイス南西ヴォー州にあるジュウ渓谷のル・ブラッシュにて創業。以後、現在にいたるまでオーデマ家とピゲ家の創業者一族による家族経営を続けており、スイス時計を代表するマニュファクチュールのひとつに数えられている。
創業当初からクロノグラフやミニッツリピーター、パーペチュアルカレンダーなどの複雑機構を得意とし、第1次世界大戦後は薄型時計でも名声を博した。
1892年には世界初となるミニッツリピーター搭載の腕時計を発表。さらに1921年には懐中時計として世界最小のリピーターを発表している。
1955年には世界初の閏年表示付きパーペチュアルカレンダー搭載の腕時計を、1986年にはケース厚がわずか5.3mmの、世界初となる自動巻きトゥールビヨン搭載の腕時計を発表するなど、時計界をリードする数々の偉業を成し遂げた。
主なコレクション
時計に「モデル」という概念が導入される1951年以前には、オーデマ ピゲの時計はすべてが一品制作のユニークピースであった。
高級腕時計、特に薄型のコンプリケーションの少数生産を続けてきたオーデマ ピゲに変化が訪れるのは、「ロイヤル オーク」が登場する1972年のこと。
当時、高級腕時計といえばケース径33mm前後のゴールドケースという認識が一般的であり、ケース径39mmかつステンレススティール製のケースを持つ「ロイヤル オーク」は規格外の挑戦であった。
高級腕時計の概念を一変させた「ロイヤル オーク」と、その後、マッシブなプロポーションを携えて1993年に誕生した「ロイヤル オーク オフショア」は、現在のオーデマ ピゲを代表するコレクションとなっている。
ロイヤル オークとオフショア
「ロイヤル オーク」は、ラウンドケースにレザーストラップという従来の高級腕時計に新たな価値観をもたらした傑作である。
これをベースとしてオーデマ ピゲ独自の個性を発展させたのが、「ロイヤル オーク オフショア」という関係だ。ここでは、「ロイヤル オーク」と「ロイヤル オーク オフショア」の特徴を見ていこう。
ロイヤル オークとは
「ジャンボ」の愛称で親しまれた「ロイヤル オーク」は、1972年にステンレススティール製ラグジュアリースポーツウォッチとして発売された。
腕時計は天才デザイナーとして知られるジェラルド・ジェンタによるデザインであり、ベゼルは潜水服のヘルメットの窓をモチーフとしている。
薄型モデルでありながら50mの防水性能を持ち、2層のギヨシェ彫りによって表現される「タペストリー」模様でダイアルの立体感が際立つ。
八角形のベゼルにケースバックまで貫通する六角形のビス、ケースと完全に一体化したブレスレットなども特徴的なデザインコードだ。
オフショアとは
1993年に発表された「ロイヤル オーク オフショア」は、「ロイヤル オーク」を上回るケース径42mmのビッグサイズな高級腕時計であった。
あまりの大きさからビースト(野獣)と呼ばれ、ジェラルド・ジェンタをも当惑させたこの腕時計は、オーデマ ピゲの内部デザイナーであるエマニュエル・ギュエによるデザインだ。
クロノグラフとタキメーターを搭載し、ダイアルには装飾の大きい「メガ・タペストリー」を施すなど、「ロイヤル オーク」にも増して男性的なデザインとなった。
さらに、ブラックガスケットをベゼルに挟み込んで防水性能は100m防水となり、リュウズにはシリコンキャップを配している。
現在では新素材や独創的なデザインの実験的コレクションという位置付けもなされており、機能やフェイスのバリエーションは多彩だ。