「Accessible Luxury/手が届くラグジュアリー」をブランド理念に掲げるフレデリック・コンスタントは、2017年にフライバック クロノグラフ マニュファクチュールを2種類の文字盤とケース素材で市場に投入した。2020年に同社はシルバーのサブダイアルとカラフルなメイン文字盤のコントラストからなるふたつのツートーン仕様を追加している。時計の基本情報から紹介していこう。
Written by Mark Bernardo
特許取得の"スターホイール"がフライバッククロノグラフの流れるような動きを実現する、「フライバック クロノグラフ マニュファクチュール」の最新版
2017年のオリジナルモデルに続き、読みやすさとスポーティーな外観を高めて追加投入されたフレデリック・コンスタントのフライバック クロノグラフ マニュファクチュール。直径42mmのケース素材は、ステンレススティール、またはローズゴールドPVD加工がされたステンレススティールの2種類の展開だ。文字盤にはステンレススティールではダークブルー、ローズゴールドプレーテッドではチョコレートブラウンの色が組み合わされており、サブダイアルが3時位置に30分積算計、6時位置に指針式デイト表示、9時位置にスモールセコンドが整然と配されている。外周にはタキメーターの目盛りがあしらわれた。
搭載するムーブメントは、1930年代のフライバック・クロノグラフに基づいて設計された自社製の自動巻きキャリバーFC-760だ。従来のメカニズムでは、スタート、停止、リセットの3つの機能を制御するコラムホイールに複数の柱状の歯があるが、これに対してFC-760は星形のスターホイールを採用する。このスターホイールがクロノグラフのスムーズな動きの要だ。
クロノグラフにおいて不可欠なのがクラッチだ。クラッチは必要に応じて、時計の動力源であるムーブメントとクロノグラフ機構の動力の連結、切り離しを行うものである。ほとんどのクロノグラフが次の3種類のうちどれかを採用している。水平クラッチ、スイングピニオン、または垂直クラッチであるが、キャリバーFC-760が採用するのはふたつの歯付きピニオンを採用した回転部品だ。プッシュボタンを押すと、ベースムーブメントの動力がモジュール機構に結び付けられクロノグラフが駆動する。スタート/ストップ用のプッシュボタンをもう一度押すことでクラッチレバーがわずかにスライドし、クロノグラフが停止する。小さなロックレバーによって、クロノグラフ針と積算計は同時に停止し、正確な表示を行う。ユーザーは2時位置のプッシュボタンにより停止操作を繰り返すことができ、4時位置のプッシュボタンを押さない限りクロノグラフはリセットされない。なお233個の部品から構成されるFC-760はモジュール式で、そのうちモジュールに使われるのはわずか96個。これによりキャリバーの厚みが抑えられている。
4時位置のプッシュボタンを1回押すだけで、ゼロからの計測が瞬時に再開する。このスムーズな駆動を実現するムーブメントは、フレデリック・コンスタントの自社製だ。サファイアクリスタル製ケースバックからは、ペルラージュやコート・ド・ジュネーブなどの高級時計にふさわしい仕上げが堪能できる。それぞれのモデルには文字盤の色に合わせたダークブルーかブラウンのストラップと、ブランドロゴがスタンプされたフォールディングクラスプが組み合わせられている。
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