一流のセレブたちは一体どんな腕時計を選ぶのか? 世界のセレブたちのプライベートなワンシーンを切り取り紹介する連載コラム「セレブウォッチ・ハンティング」。今回は、現在上映中の映画『ジョジョ・ラビット』のタイカ・ワイティティ監督が選ぶ腕時計を紹介しよう!
タイカ・ワイティティ(左)
2020年2月に行われた第92回アカデミー賞において、初めてその名を耳にした人も多いだろう。映画監督、タイカ・ワイティティ。作品賞など6部門においてノミネートを果たした映画『ジョジョ・ラビット』は、第二次世界大戦下のドイツを舞台に10歳の少年の目線から人生を描いたヒューマンドラマだ。この作品において彼は監督、脚本、製作、そして俳優としてヒトラー役まで務めた。シリアスな題材にユーモアを交えた同作は賛否両論を呼びながら、アカデミー賞脚本賞に輝いた。
1975年にニュージーランドで、マオリの父親とユダヤ系ロシア人の母親の間に生まれたタイカ・ワイティティ。独自の感性で人を魅了する彼は、選ぶ洋服や腕時計も個性的だ。
今回の写真は、2019年にカリフォルニア州サンディエゴにおいて行われたコミコン・インターナショナルでの1枚である。右側に写るのは女優のナタリー・ポートマンだ。ワイティティが監督を務め、ナタリー・ポートマンが出演予定の新作映画『マイティ・ソー』シリーズ第4弾は2021年11月に公開予定である。
時に奇抜な柄のシャツを好むワイティティ。この日は、長い尾の鳥が描かれたパープル調のシャツと、その存在感に負けぬ鮮やかな腕時計を着けて現れた。オレンジ色の腕時計は、おそらくスイスブランド「ドクサ」のダイバーズウォッチだろう。
ドクサ
「SUB 300T」
1889年にル・ロックルで創業したドクサ。日本未上陸ながら、先進性あふれるデザインで愛好家には知られた老舗ブランドだ。かつてはムーブメントも自社で製造しており、1908年に発表した特許取得の8日巻きムーブメントはレーシングカー「ブガッティ」をはじめとした自動車や船舶、航空機に多く採用された。
同社がダイバーズウォッチを手掛けたのは1960年代のことだ。ケース直径45mm、ヘリウムエスケープバルブを備えた300m防水性能を持つ「SUB 300」は1964年に発表された。なお、この開発の協力者として海洋学者であり映画製作者でもあったジャック=イブ・クストーの名が記されている。
文字盤のオレンジカラーは、当初から採用されているものだ。オレンジは暗い深海に潜ったときに最後まで認識できる色であり、ダイバーズウォッチに使うには理にかなった色である。
ドクサはクォーツショックの後、現在のオーナー企業に買収されているが、同社のアイコンであるオレンジダイアルを使ったSUBシリーズは、当時の意匠を受け継ぎながら現在も展開を続けている。
『#チャーリーとチョコレート工場』アニメ版、『ジョジョ・ラビット』#タイカ・ワイティティ が脚本・監督に就任!🍫https://t.co/KfgaxY6sN0
原作小説の映像化&ウンパルンパ主人公の2作品、アニメシリーズで製作へ。Netflixとタッグ!#タイカワイティティ #ウンパルンパ #Netflix
— THE RIVER (@the_river_jp) March 6, 2020
タイカ・ワイティティに話を戻そう。2020年3月6日、Netflixは『チャーリーとチョコレート工場』を基にしたアニメーション2本の監督・脚本・製作総指揮にタイカ・ワイティティを起用すると発表した。活躍の場を広げる彼の姿は今後ますます目にする機会が増えるだろう、その時には装いも合わせてチェックしていきたい。