一流のセレブたちは一体どんな腕時計を選ぶのか? 世界のセレブたちのプライベートなワンシーンを切り取り紹介する連載コラム「セレブウォッチ・ハンティング」。今回紹介するのは、イタリア首相ジュゼッペ・コンテが選ぶ腕時計だ。
ジュゼッペ・コンテ
2018年6月にイタリア共和国第65代首相へ就任したジュゼッペ・コンテ。1964年8月8日にプーリア州で生まれ、首相就任まではフィレンツェ大学で法学教授を務めた学者出身の首相だ。
写真は、2019年12月にイギリスで開催されたNATO首脳会議でトランプ米大統領と並ぶ姿を捉えた1枚である。その手元を見てみよう。コンテ首相の愛用時計は、IWC「ポートフィノ・オートマティック」、おそらくステンレススティールケースにシルバーメッキ文字盤を備えたRef.IW356517だろう。
IWC
「ポートフィノ・オートマティック」
ポートフィノは1984年に誕生したコレクションである。現行で最もオーソドックスな仕様はコンテ首相が着用する3針とデイト表示を備えたモデルだ。他にクロノグラフやムーンフェイズ、トゥールビヨン搭載機、8日間のパワーリザーブ表示が付いた手巻きモデルなどがある。サイズ展開は幅広く、女性向けの直径34mmの3針モデルから直径45mmの手巻きモデルの間に細かな設定が揃う。いずれもシンプルなインデックスとリーフ針の組み合わせが共通点だ。IWCの時計は流行をいたずらに追うことのない普遍的なデザインが魅力だが、その中でもポートフィノは洗練を極めたモデルといえるだろう。
「ポートフィノ」の名称は、イタリアのリグーリア海岸沿いにあるリゾート地にちなんだものである。IWCによると"この町が持つ時を超越した美しさ"をポートフィノに映したということだ。実はコンテ首相の写真を過去にさかのぼると、ポートフィノの前にはIWC製の懐中時計のダイアルを用いたであろう腕時計を着用していたことが確認できる。もともとIWCが好きなブランドだったならば、新しい一本を現行から探す際に自国の町の名を冠したコレクションへ目が留まったのは自然な流れだろう。端正なデザインや、高品質の機械式時計として適当な価格帯も、国民の目を引く立場として好ましく映ったに違いない。