「スターレガシー プロダクトライン」「1858 プロダクトライン」「ヘリテイジ モノプッシャー クロノグラフ」の各シリーズより2020年の新作を発表したモンブラン。加えて刮目すべきは、2017年から展開するスマートウォッチ「サミット」の次世代版だ。新しい「サミット2+」は、2018年発表の既存モデル「サミット2」の持つ機能と能力をすべて継承し、そこにさらなる機能を追加している。
Text by Mark Bernardo
「サミット2+」は、Googleが開発しているAndroid系スマートウォッチ用のOS「Wear OS」を使用する高級スマートウォッチだ。これはスマートフォンが近くにない場合でも接続を維持できるものである。内蔵スピーカーによって電話やGoogle アシスタントを使うことも可能だ。2017年のファーストモデルでは直径46mmで登場したケースサイズは小型化し、今作は直径43.5mmとなった。ケース素材のバリエーションはステンレススティール、ブラックDLC加工ステンレススティール、ブロンズPVD加工ステンレススティール、ローズゴールドPVD加工ステンレススティールの4つ。交換可能なインターチェンジャブルストラップの選択肢も広く取り揃えられている。常にオンの状態で表示される時計のデザインもカスタマイズが可能で、OLED（有機EL）ディスプレイ上ではインデックスや背景色、針、クロノグラフ機能やムーンフェイズ表示などを自在に組み合わせることができる。
プロセッサ（中央演算処理装置）には前モデルと同じクアルコムのSnapdragon Wear 3100を採用。バッテリー容量は440mAhとなり、これによりフル充電ならWear OSを丸一日使用しても十分になった。なお、Wear OSとの接続を停止させてシンプルに時刻表示だけをするならば、3日から5日間ほど持続するようになった。
サミット2+にはアウトドア志向の人や移動が多い人に役立つ機能が多く備わっている。
まず世界を飛行機で飛び回る人には、プロのアスリートや宇宙飛行士、そして体内時計や睡眠の専門家たちが使用する「Timeshifter」アプリケーションソフトウェアが役立つ。普段の就寝時間や、朝型か夜型かといったユーザーの生活情報を基に、その人のフライトスケジュールに合わせて「時差ボケ」を最小限に留めるようアドバイスを受けられる機能だ。
モンブラン独自のトラベル情報アプリは、旅行先のローカルな情報を提供するとともに、声に反応する通訳機能が、多言語から翻訳した内容を時計に表示させる。「アウトドア・ツールボックス」は、速度計、高度計、気圧計、コンパス、GPS追跡といった屋外アクティビティ向けのさまざまな機能を備える。
フィットネス機能では「VO2max（最大酸素摂取量）」アプリが、各自に適した運動の提案を行うとともに、プログラムに設定された心拍数に合わせてユーザーの身体条件に応じた適度なトレーニングのペースや強度を教えてくれる。内蔵される精密なGPSナビゲーションによって、スマートフォンを携帯しなくても正確な運動のトラッキングが可能だ。他方、サミット2+は屋外活動やトレーニング時だけでなく、オフィスにおいても有益な機能が備わっている。Google アシスタントの機能により、電話、メッセージ、SNS、スケジュールカレンダーなどの通知がスマートフォンやセルラーネットワークと同期し、毎日の予定管理を行うことができるのである。
サミット2+の参考価格は1170USドル。あいにく日本国内への入荷予定はないが、その進化は引き続き追っていきたい。
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