2019年に発表された「CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ」(以下、CODE 11.59)は、「ロイヤル オーク」や「ロイヤル オーク オフショア」を柱とするオーデマ ピゲのラインナップに、約四半世紀の時を経て追加された新シリーズだ。ここでは、「CODE 11.59」に込められたコンセプトや主なモデルを解説する。
CODE 11.59の基礎知識
話題の「CODE 11.59」とはどのような時計なのだろうか。概要や名称の由来などを紹介する。
SIHH2019で発表された新シリーズ
高級時計メーカーが集まるスイスでは2019年まで、高級時計の見本市SIHH(2020年よりウォッチーズ&ワンダーズ ジュネーブ)がジュネーブで毎年開催される。2019年1月のSIHHでは、オーデマ ピゲが新シリーズ「CODE 11.59」を発表した。
オーデマ ピゲの代名詞「ロイヤル オーク」が誕生した1972年から数えると、実に47年ぶりの新作コレクションだ。1993年に発表された「ロイヤル オーク オフショア」からも26年ぶりとなる。
正式名称は、「CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ」であり、第1陣は6モデル13リファレンスで構成されている。このコレクションのために、3つの新ムーブメントも追加された。
頭文字CODEに込められたコンセプト
クラシックとラグジュアリースポーツを展開するオーデマ ピゲは、「CODE 11.59」をこれらの中間に位置付けるタイプのシリーズとしている。
さらに、「CODE 11.59」という名称は、以下のコンセプトから頭文字を集めて構成されている。
- C:Challenge 挑戦
- O:Own 継承
- D:Dare 追求心
- E:Evolve 進化
- 11.59:新しい日付に変わる直前(23:59)
ここから「CODE 11.59」が、オーデマ ピゲにとっての新しい挑戦を意味するコレクションだと伝わるだろう。アーカイブからブランドのDNAを抽出してデザインに落とし込み、搭載ムーブメントも新たに開発したために、発売までに約5年の歳月が費やされている。
CODE 11.59の特徴
さらに、さまざまな変化が加えられた「CODE 11.59」のディテールを知れば、まったく新しいコレクションであることが理解できるだろう。
伝統的なデザインに光る革新性
オーデマ ピゲの時計が持つ卓越したデザインは、すべて世界最高峰の職人によるフリーハンドスケッチから生み出されているものだ。
同社伝統の妥協なき高い芸術性に加え、「CODE 11.59」ではデザインにおける革新的な変化がもたらされている。
一見丸型に見えるが、3層構造のケースになっており、サテン仕上げとポリッシュ仕上げが組み合わされたオーデマ ピゲらしい八角形のミドルケースと、極限まで絞られた細いベゼル、独特なラグの形状により、外装は唯一無二の造形美をまとっている。
また、見る角度によりさまざまなニュアンスをダイアルにもたらす、内側と外側で異なる曲線を施した風防。高い技術が必要とされる立体的なロゴ。
さらに、ベゼルが細かく絞られていることにより風防が広がり、文字盤全体の視認性が向上していることも、大きな特徴のひとつだ。
意気込みが伝わる新ムーブメント
CODE 11.59には、3つの新しい自社製ムーブメントが搭載されている。中でも、3針ムーブメントCal.4302は、これまでの基幹ムーブメントCal.3120に次ぐ第2の基幹ムーブメントとして発表されたものだ。
クロノグラフにも、新開発されたCal.4401が搭載された。マスプロダクト製品としてはオーデマ ピゲ初の一体型クロノグラフムーブメントだ。インダイレクト式のフライバック機構を備える。
自動巻きムーブメントであるフライングトゥールビヨンムーブメントCal.2950も、CODE 11.59にマッチするよう新規で開発されたものである。