メンズ向けの時計といえば、ロレックスやオメガのような高級時計が思い浮かぶだろう。しかし、カルティエの時計も、違いが出せるメンズウォッチとして高い人気を集めている。カルティエの時計の種類や人気コレクションなどを紹介する。
カルティエを知ろう
高級宝飾メゾンドとして名を馳せるカルティエは、時計づくりにおいても名高いブランドだ。カルティエの時計が持つ魅力について解説する。
宝石と時計 どちらも名門
カルティエといえば、宝石のイメージを強く持つ人が多いのではないだろうか。1847年にパリで創業した当初から、すでにフランス国内では王族御用達のジュエリーブランドとして名を馳せており、現在は世界5大ジュエラーのひとつとして数えられている。
しかし、カルティエは時計ブランドとしても超一流である。「タンク」や「サントス」といった数々の名作を生み出しており、時計史にその名を刻む名門メゾンだ。
カルティエは、世界で初めて実用的男性用腕時計を制作したとも言われている。ロレックスなどのような高級腕時計の王道を歩むのではなく、芸術作品を製作するような時計開発を目指しているだと言えるだろう。
先駆的なデザインが魅力
大規模時計メーカーの多くは、市場や消費者のニーズを優先し、ターゲットに合わせて商品を製作している。
一方、カルティエは常に新しいものを生み出す独創的な姿勢を貫き、カルティエらしさを前面に押し出すスタンスで時計を作っていることが特徴だ。
カルティエが世に放つ時計は、発表する段階において類を見ない先駆的なデザインであることが多く、消費者に媚を売る姿勢は微塵も感じられない。
「タンク」「サントス」「パシャ」のような代表作も、前衛的なデザインで人々を魅了し、多くのファンを生み出している。
メンズの人気コレクション
カルティエの代表的なコレクションから、男性向けの人気モデルを紹介する。いずれもユニークなモデル名であることが特徴的だ。
戦車のキャタピラーが由来 タンク
戦車のキャタピラーをモチーフに1917年に誕生した「タンク」は、カルティエを代表するロングセラーコレクションだ。
創業一族のルイ・カルティエが、「タンク」のデザインを上から見た戦車の形に似せ、縦枠をキャタピラーに、ケースを操縦室に見立てたと言われている。
一般的な腕時計に見られる丸型ではなく、角ばったスクエアフォルムであることが特徴だ。発表当時は女性向けとして地位を確立したが、現在は男性からも多くの人気を集めている。
2017年に100周年を迎えた「タンク」は、その間にさまざまな様式を取り入れた派生モデルを生み出している。
世界初の腕時計 サントス
前述したように、カルティエは世界で初めて実用的男性用腕時計を作ったと言われている。その腕時計が、1904年に誕生した「サントス」だ。
当時はまだ実用品としての腕時計がなく、飛行家のアルベルト・サントス=デュモンがルイ・カルティエに依頼して制作された。
ブレスレットやケースに打たれたビスは、飛行機のパーツをつなぐネジをモチーフとしており、スクエアケースとともに同モデルの大きな特徴となっている。
誕生から100年以上経った現在においても、現行ラインのデザインを継承しながらアップデートを重ねている。
マラケシュの太守が依頼 パシャ
「パシャ」というモデル名は、モロッコの都市であるマラケシュの太守(パシャ)が、自宅のプールで泳いでいる間も着けられる時計を、カルティエに依頼したことに由来する。そのため、リュウズに防水用のカバーが搭載されたデザインとなった。
この時に作られた時計が「パシャ ドゥ カルティエ」の原型となり、1985年に「強さに惹かれる男性に向けて」というコンセプトのもとに正式に登場した。その後、サイズやデザインにバリエーションを加えた派生モデルが数多く展開された。
そして2020年、新作をラインナップ。搭載ムーブメントは自社製のCal.1847MCに、ブレスレットは交換が容易なクイックスイッチ仕様となった。