世界トップレベルの技術力を誇るジャガー・ルクルトは、優れた機能と端正なデザインから、多くの支持を集めている名門高級時計ブランドだ。ジャガー・ルクルトの歴史や魅力を理解し、人気モデルもチェックしておこう。
ジャガー・ルクルトの歴史
創業時から数々の発明を手掛け、多くのムーブメントを製作してきたジャガー・ルクルトの歴史を紹介する。時計製造の進化に貢献した実績を知っておこう。
ジャガー・ルクルトとは
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スイスの時計士のアントワーヌ・ルクルトが1833年にジュラ山脈で開いた小さな工房が、ジャガー・ルクルトのルーツだ。
その後、アントワーヌ・ルクルトの孫にあたるジャック・ダヴィド・ルクルトが、ムーブメント開発に定評があったエドモンド・ジャガーに超薄型ムーブメントの開発を依頼したことをきっかけに、両者が協力して1937年にブランドが誕生する。
正式にジャガー・ルクルトとなってからも、ブランド立ち上げ前からムーブメントを提供していたカルティエをはじめ、世界三大時計ブランド(パテック フィリップ、ヴァシュロン・コンスタンタン、オーデマ ピゲ)など、スイスの名だたるメーカーにムーブメントを提供し続けた。
歴史的と評される計器を発明
創業者のアントワーヌ・ルクルトは、0.001mm単位での測定が可能な計器「ミリオノメーター」を、1844年に史上初めて発明した。
時計製造において、より精密な部品を作ることが可能となったこの発明は、時計史における画期的な出来事だといわれている。
また、1847年には史上初のリュウズ巻き時計を発明した。巻き上げに鍵を使っていた当時において、リュウズと小さなボタンを使用する仕組みは、それまでの懐中時計の使い方を再定義したと言えるだろう。
これらの発明から生まれた計器や懐中時計は、1851年にロンドンで開かれた第1回万国博覧会で金賞を受賞している。
ジャガー・ルクルトの魅力とは
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多くの時計愛好家に支持されているジャガー・ルクルトの魅力を紹介する。他の高級時計メーカーにはない特徴を理解しておこう。
時計業界きっての「機械屋」
ムーブメントや部品のほとんどを自社で作り出すジャガー・ルクルトは、創業当時から高品質のタイムピースを製造するためのスキルを磨いていた機械屋であった。
時計製造の歴史を変えたと言われるミリオノメーターを1844年に発明し、これにより構築した高い生産システムにより、1900年までに約350種類のムーブメントを製作した実績を持つ。
1902年からは、パテック フィリップにおけるムーブメントの大半を約30年間手掛け、オーデマピゲやヴァシュロン・コンスタンタンなどにもムーブメントを提供している。
カルティエの名作「サントス」のムーブメントを手掛けたのも、ブランドの立役者の1人であるエドモンド・ジャガーだ。
1000時間もの検査
製作した時計ごとに実施する1000時間もの検査も、ジャガー・ルクルトの大きな特徴の一つだ。
最も一般的な検査である「スイスクロノメーター検定」の検定期間が15日間であるのに対し、ジャガー・ルクルトの検査は約6週間にわたって実施される。
また、スイスクロノメーター検定はムーブメント単体が検査対象だが、ジャガー・ルクルトの1000時間検査は、防水性や耐磁性なども含んだ「完成品としての品質」を精査する。
普及用の高級時計に実施する検査としては、ジャガー・ルクルトの1000時間検査は業界トップレベルである。
おすすめモデル
ジャガー・ルクルトには、「レベルソ」と「マスター」の2大モデルが存在する。それぞれの特徴とおすすめモデルを紹介しよう。
レベルソ・クラシック・ミディアム・スモールセコンド
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「レベルソ」とは、文字盤が反転する特徴を持つ、ジャガー・ルクルトの代表モデルだ。1931年に誕生して以来、進化を続けながら現在も高い人気を誇っている。
レベルソは、さまざまな派生モデルが展開されており、最も伝統的でスタンダードなモデルが「レベルソ・クラシック」である。
自社製手巻きムーブメントを搭載するこのモデルは、厳密な幾何学模様やギヨシェ彫りの中央部分など、レベルソの伝統を継承したクラシカルなスタイルが特徴だ。
レベルソならではの反転式ケースの裏面には手彫り装飾を施すことが可能であり、自分だけの1本を所有できる。
レベルソ・トリビュート・ムーン
オリジナルモデルから着想を得た、レベルソのトリビュートモデルだ。表ダイアルと同一のムーブメントで動く裏ダイアルは、第2時間帯の時刻を表示する。
表面のシルバーダイアルには、ブルーのインデックスが手作業で配置され、裏ダイアルの周囲にはギヨシェ仕上げ、中央部分にはオパーリン仕上げが施されている。
表面のシルバーダイアルには、ブルーのインデックスが手作業で配され、裏ダイアルの周囲にはギヨシェ仕上げ、中央部分にはオパーリン仕上げを施している。
マスター・コントロール・デイト
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マスターシリーズは、レベルソに並ぶジャガー・ルクルトのフラッグシップだ。シンプルかつオーソドックスな丸型フォルムを基本としている。
マスターもさまざまな派生モデルを展開しており、中でも「マスター・コントロール」はシリーズの原点とも言えるモデルである。
高い性能を誇る自動巻ムーブメントは、調整時に安定性をもたらす可変慣性テンプを備えている。
シンプルながら視認性が高く、ドレスウォッチの模範として支持を集めている1本だ。
ジャガー・ルクルトを着けてみよう
名門ブランドの一つに数えられるジャガー・ルクルトは、高い技術力と信頼性により、業界屈指の職人集団として評価を集めている高級時計メーカーだ。
レベルソとマスターシリーズを中心に、機能やデザインのバリエーションも豊富に揃っている。ワンランク上の腕時計を求めるなら、ジャガー・ルクルトも選択肢の一つに加えてみよう。
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https://www.webchronos.net/2020-new-watches/44992/