優れた精度を誇る天文表示機構を備えた超複雑時計「セレスティアル」は、世界三大時計メーカーのひとつであるパテック フィリップの高級時計だ。セレスティアルの機能やデザインの魅力に迫り、現行モデルの特徴を紹介しよう。
パテック フィリップ「セレスティアル」とは
パテック フィリップの最高峰ライン「グランド・コンプリケーション」の中でも、セレスティアルは特別なオーラを放つモデルだ。魅力や価格について解説する。
スカイムーンから着想を得たモデル
グランド・コンプリケーションの特別モデルであるセレスティアルは、天空表示のスペシャリストとしても名をはせるパテック フィリップを象徴する時計だ。
風防に描かれた楕円のラインは、ジュネーブから見える北半球の星と月の動きを精密に表示する。文字盤のデザインは、パテック フィリップの芸術作品とも言われる「スカイムーン・トゥールビヨン」から着想を得た。
名前に込められた意味と天文機能
「セレスティアル(celestial)」という言葉は、「天空の」「神々しい」という意味を持つ。人々が長い歴史の中で抱いてきた宇宙へのロマンや、時刻測定が天体観測から始まったという歴史への思いが込められたモデル名だと言えるだろう。
セレスティアルでは、ダイアル上で星と月の動きや月の満ち欠けが確認できる。実際の夜空が曇りで星空が満足に鑑賞できない場合でも、満天に輝く星々を手元で視認することが可能なのだ。
現行モデルは3000万円を超える
セレスティアルには現在、リファレンスナンバー6102、6104の2モデル全3種があり、それぞれ、ケース素材・ダイヤモンドセッティングによって価格が異なる。
6102Rは18Kローズゴールド製ケース、6102Pはプラチナ製ケース、6104Rは18Kローズゴールド製ケースで、ベゼルにバゲッドダイヤモンドがセッティングされている。いずれも4000万円前後はする超ハイエンドモデルだ。
セレスティアルの特徴
セレスティアルは、時計としての優れた精度と品の良いデザインを併せ持った時計だ。それぞれの詳しい仕組みを紹介しよう。
高い精度を誇る
セレスティアルは、時刻表示と星座図の両方で高い精度を誇る時計である。
月が地球の子午線上を通過し、再び子午線上に戻るまでの時間は約24時間50分であり、この時間を表示する機構は日差0.05秒、年差に換算しても18.385秒だ。
また、満月から次の満月になるまでの期間は約29日12時間44分であり、この期間を表示するセレスティアルの精度誤差は約6.51秒である。
地球が360度自転する時間を表示する機能においては、日差0.088秒、年差に換算すると32.139秒という驚異的な精度となっている。
デザイン性も魅力
文字盤に表示されている星座図では、金属蒸着処理された薄いサファイアクリスタル・ディスクを3枚重ね、異なる速度で回転させることで、星空の動きを表現している。
ダイアルにはブルーもしくは黒のディスクが使われ、その上に月の満ち欠けを示す小窓付きのディスク、最上層には星座図と天の川を描いた透明のディスクを重ねている。
風防の内側面に楕円形の輪郭を付けることで、その時間に実際に見える星空の様子を伝える。
主なモデル
セレスティアルの現行モデルには、3つの選択肢がある。それぞれの特徴や魅力を紹介する。
天文表示の伝統を踏襲 6102
天空の動きを緻密に表現する星座表を取り入れることで、6102はパテック フィリップの天文表示時計における伝統への称賛の念を示している。
ジュネーブから見える星の動きや月の満ち欠けを、手元でいつでも確認できる。高い精度で時を刻む長針と短針は、恒星の日周運動の観測に基づいて導き出された平均太陽時による時刻を表示する。
6102では、オリジナルモデル5102にはなかった日付を示すアラビア数字が、文字盤の円周に配置されている。先端が月の形をした針で日付が分かる仕様だ。
ダイヤモンドで装飾 6104
6104は18Kローズゴールドのケースに、ダイヤモンドベゼルを組み合わせた最上位モデルだ。ベゼルには、38個のバケットダイヤモンドが施されている。
さらにバックルにも、同じくバケットカットされた22個のダイヤモンドがあしらわれている。合計60個のダイヤモンドは、約5.4カラットにも及ぶ。
自社製の自動巻きムーブメント「Cal.240 LU CL C」を搭載し、サファイアクリスタルでトランスパレント仕様に仕上げられた裏蓋から、315ものパーツで構成された機械美を楽しむことができる。
高級時計について知ろう
パテックフィリップの時計の中でも、最高クラスの複雑さと優美な佇まいを持つセレスティアル。ムーブメントからダイアル、ケースに至るまでの精緻な手仕事に、老舗の確かな技術力を感じることができるだろう。
Tel.03-3255-8109
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