Q:ケースの厚さ、何mmからが薄型時計なの?
A: 最近各メーカーが取り組む薄型化。トレンドを牽引するブルガリやピアジェはもちろんのこと、薄さには無頓着と見なされてきた、パネライやグランドセイコーも薄いモデルをリリースするようになりました。それにはいくつかの理由があると考えられています。
ひとつは、時計ブームを牽引してきたベビーブーマージュニアが、重くて分厚い時計を好まなくなったこと。もちろん一概には言えませんが、スポーツウォッチを好む層が台頭する一方で、ベーシックな時計は急激に目立たない方向に向かいつつあります。そしてもうひとつが、保守的な中国市場への対応。今でこそ変わりつつありますが、一昔前の中国では、ベーシックでシンプル、そして袖に隠せる時計が好まれたのです。
高い防水性能を持たせた分厚いケースが代名詞だったパネライも2010年代より薄型化への舵を切った。同社の薄型時計として代表的なのが16年デビューの「ルミノール ドゥエ」。コレクションでの最薄モデルはケース厚が10.5mmのため、薄さと耐久性を兼ね備えたモデルと言える。また、ルミノール ドゥエだけではなく、ムーブメント厚3.95mmのCal.P4000を搭載することでラジオミールのケース厚を抑えた「ラジオミール 1940 スリーデイズ オートマティック アッチャイオ-45mm」などのモデルも過去には発売されている。Photograph by Masanori Yoshie
では、ケース厚何mmからが薄型時計になるのか? 各社の定義はまちまちですが、10mm以下は薄型時計と考えていいでしょう。また、7mm以下、5mm以下の時計を極薄時計と見なすメーカーもあります。
薄型時計は袖口の邪魔をしないため、普段使いに向いています。しかし、ケースが薄すぎるとムーブメントは磁気帯びしやすくなり、ショックを与えると壊れる場合があります。とりわけ、強い衝撃を与えると、針の位置がずれたり、針が曲がる場合があるのです。そのため、実用性を重視したモデルには、ケース厚をあえて10mm台に留めているものもあります。
もし普段使いするならば、ケースの厚さは8mm以上、できれば10mm以上が望ましいでしょう。もっとも、扱いに自信のある方ならば、薄型時計を普段使いするのは大いにありです。
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