オメガの腕時計は信頼性が高く、デザインも魅力的だ。多彩なモデルを取りそろえているが、コレクションは細分化されており、お気に入りの1本を選び出すのは少々難しいかもしれない。そこで本記事では、「スピードマスター」「シーマスター」を中心に、個人的な好みも交えつつ、今選びたいオメガを6本紹介する。
オメガのコレクションと選び方
オメガの腕時計は、4つのシリーズと、リミテッドエディションなどの特別なシリーズに分類される。4つのシリーズはさらにコレクションで分類されるが、まずはシリーズの分類や特徴別の選び方を見ていこう。
主なシリーズは4つ
オメガの腕時計は「スピードマスター」「シーマスター」「デ・ヴィル」「コンステレーション」の4シリーズと、オリンピック記念モデルなどの「スペシャル」に分類される。
スピードマスターはクロノグラフモデルを基本としており、シーマスターはダイバーズウォッチなどの防水性能が高いモデルを中心としたコレクションだ。
デ・ヴィルは都会的なエッセンスを感じるドレスウォッチが多く、コンステレーションはオメガの高精度の歴史を象徴する、タイムレスでエレガントなシリーズである。
シーンやムーブメントで選ぶ
スピードマスターはNASAの公式装備品としての歴史を持つ「ムーンウォッチ」をはじめ、信頼性の高さに定評のある腕時計だ。また、クロノグラフというとスポーティーかつカジュアルなイメージを持つかもしれないが、本コレクションの歴史を象徴するアイコニックなデザインを有するため、ビジネスシーンに装えるモデルである。150m防水や300m防水を誇るシーマスターは堅牢性が高く、ビジネスやタウンユースのみならず、レジャーシーンで幅広く活躍する。
ビジネスシーンではブレスレット仕様のモデルが多いコンステレーション、フォーマルシーンではレザーストラップに映えるデ・ヴィルを合わせたい。
なお、オメガは、日差0~+5秒(ムーブメントによっては+7秒)で、かつ耐磁性能1万5000ガウスを誇る「マスター クロノメーター」認定ムーブメントを多くのモデルで採用しているので、いずれのシリーズであっても「毎日使える」腕時計と言える。
スピードマスターの中で買いたいモデル
スピードマスターは、オリンピックの公式タイムキーパーやアメリカ航空宇宙局(NASA)の公式時計として認められており、オメガを代表するシリーズだ。スポーツ性能だけでは測れない、スピードマスターの魅力的な3本を紹介しよう。
スピードマスター ムーンウォッチ
オメガを代表する「スピードマスター ムーンウォッチ」。現行モデルはアイコニックな見た目はそのままに、マスター クロノメーター認定のCal.3861を搭載する。
手巻き(Cal.3861)。26石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約50時間。SSケース(直径42mm、厚さ13.2mm)。5気圧防水。107万8000円(税込み)。
風防は伝統的なヘサライト(強化プラスチック)製であり、スポーティーになりすぎないクラシックなデザインも魅力だ。
なお、サファイアクリスタルを風防に用いて、ケースバックをトランスパレント式としたRef.310.30.42.50.01.002も存在する。
スピードマスター レーシング
「スピードマスター レーシング」は、レーシング仕様の意匠がちりばめられたコレクションだ。
自動巻き(Cal.9900)。54石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約60時間。SSケース(直径44.25mm、厚さ14.9mm)。50m防水。143万円(税込み)。
チェッカーフラッグを思わせるミニッツトラック、ステアリングやレーシンググローブのようなパンチング加工のレザーストラップなど、ドライバーの心を揺さぶるデザインである。さりげなくジャケットの袖口から本作がのぞいたら、かっこいいに違いない。
1万5000ガウスもの耐磁性能を有するマスター クロノメーター認定のCal.9900を搭載しており、携帯精度も高いため、優れた実用性を備えている。
スピードマスター 38
「スピードマスター 38」は、直径38mmというコンパクトなケースに、高耐磁性能を持つCal.3330を搭載したクロノグラフである。
自動巻き(Cal.3330)。31石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約52時間。SSケース(直径38mm、厚さ14.7mm)。10気圧防水。85万8000円(税込み)。
スピードマスターのデザインコードを守りつつ、比較的シンプルかつエレガントなフェイスを持つ。
これまで紹介してきたスピードマスターと比べると小ぶりであるため、男女問わず身に着けられるため、シェアウォッチとしても検討したい。
シーマスターの中で買いたいモデル
スピードマスターとともにオメガの代表的なシリーズがシーマスターだ。スピードマスターが主に陸上や宇宙での使用を想定しているのに対し、シーマスターは主に海上や深海での使用を想定している。
耐久性だけでなくデザイン面でも魅力的な、シーマスターの腕時計3選を紹介しよう。
シーマスター 300
「シーマスター 300」は、1957年のオリジナルモデルを大幅にブラッシュアップした、プロフェッショナル仕様のダイバーズウォッチだ。
自動巻き(Cal.8912)。38石。2万5200振動/時。パワーリザーブ約60時間。SSケース(直径41mm、厚さ13.9mm)。300m防水。108万9000円(税込み)。
300m防水を備えながらもトランスパレントバックであり、さらに耐磁性能1万5000ガウスという驚異的なスペックを誇る。
逆回転防止ベゼルはステンレススティールモデルではアルミニウムにアルマイト処理を施したもの、ブロンズゴールドモデルではセラミックス製のベゼルにリキッドメタルによるダイビングスケールを与えたものが使用される。
オメガの卓越した技術が凝縮された傑作だ。
シーマスター ダイバー 300M
「シーマスター ダイバー 300M」は、ヘリウムエスケープバルブを搭載した本格的なダイバーズウォッチだ。マスター クロノメーター認定ムーブメントを搭載したモデルでもあり、水陸問わず身に着けたい1本でもある。
自動巻き(Cal.8800)。35石。2万5200振動/時。パワーリザーブ約55時間。SSケース(直径42mm、厚さ13.6mm)。30気圧防水。91万3000円(税込み)。
ベゼルだけでなくダイアルもセラミックス製であり、インデックスは一見するとアプライド(植字)のようだが、実は浮き彫りだ。レーザー加工によりエングレービングを施し、精緻な波紋様も描いている。
大きなインデックスと夜光塗料により昼夜問わず視認性が高く、1本持っておけば、さまざまなシーンで活躍してくれるだろう。
シーマスター アクアテラ 150M
「シーマスター アクアテラ 150M」は、その名の通り150m防水を備えつつも、エレガントな意匠を備えるモデルだ。
自動巻き(Cal.8900)。39石。2万5200振動/時。パワーリザーブ約60時間。SSケース(直径41mm、厚さ13.2mm)。15気圧防水。72万6000円(税込み)。
ダイアルにはヨットのウッドデッキを思わせる横ストライプ「チークコンセプト」を刻み、視認性の高いミニッツサークルと切れ長のインデックスや時分秒針と相まって、スタイリッシュなフェイスを持つ。
レジャーシーンによくなじむが、その高度な信頼性と優れたデザイン性は、ビジネスシーンでも活躍するだろう。
自分に合ったオメガの1本を
オメガは、腕時計の信頼性や耐久性において時計業界をリードする一流時計メーカーだ。そのクロノグラフやダイバーズウォッチはプロフェッショナル仕様であり、日常的な使用を目的とするならば、抜群の性能を誇る。
性能に比して低価格でコストパフォーマンスが高い、オメガの腕時計を選んでみてはいかがだろうか?