カシオの腕時計は洗練された機能性やデザイン性が魅力だ。日本人のライフスタイルや感性にもよくマッチする。カシオのエレクトロニクス技術を凝縮し、実用性も高いクォーツ式腕時計の魅力を探ってみよう。豊富なコレクションから厳選した9本を紹介する。
カシオの基礎知識
カシオといえば電卓や電子デバイス、時計ならG-SHOCKの知名度が高い。カシオは小型デバイスでエレクトロニクス技術を実用化する手腕に長けており、腕時計に関しても卓越した完成度を誇る。
カシオのおすすめ時計9選を見る前に、まずは電卓から腕時計へつながる歴史や、高度な技術力に裏付けられた魅力を見ていこう。
1974年に初の電子腕時計投入
1946年、樫尾忠雄が東京都三鷹市に樫尾製作所を設立した。歯車を使った機械式計算機が主流だった57年、世界初の小型純電気式計算機「14-A」を商品化し、同年、カシオ計算機株式会社が設立される。
65年には電子式卓上計算機(電卓)「001」、72年には世界初のパーソナル電卓「カシオミニ」を発売し、電子計算機業界で不動の地位を築いていった。
74年にはクォーツ式デジタル腕時計「カシオトロン QW02」を発売し、時計業界に参入する。このモデルは大の月・小の月を自動判別する世界初のオートカレンダー機能を備えていた。
精度や耐久性が魅力
(右)1985年3月に発売された超薄型デジタルウォッチ「ペラ FS-10」。
1983年には抜群にタフなデジタル腕時計「G-SHOCK DW-5000C」、85年には超薄型デジタル腕時計「ペラ FS-10」を発売し、ともに大ヒット商品となった。
カシオの腕時計には、電卓の製造技術に裏付けられた高度なテクノロジーが凝縮されており、その設計思想はスイス高級腕時計の文脈とは根本的に異なる。
2001年に発売した「ウェーブセプター WVA-300」は、太陽電池により動力を確保し、標準電波の受信により時刻を自動補正する電波時計だ。
電池交換も時刻合わせも不要なクォーツ式腕時計という、抜群のユーザビリティを実現するメカニズムが、カシオの腕時計の魅力と言えるだろう。
カシオの主なコレクション
カシオはクォーツ式腕時計の機能追加や洗練を追求しており、その道の旗手である。クォーツ式腕時計にとって不要な複雑機構は採用せず、コンセプトにもデザインにも迷いがない。
カシオが展開するブランドの中で、実用面で候補に挙がりやすい「G-SHOCK」「オシアナス」「エディフィス」「ウェーブセプター」の4ブランドを紹介しよう。
タフさが光る 「G-SHOCK」
スポーツ性能の高さをうたう腕時計は数多いが、ジャングルや砂漠など、陸の極地での使用を想定したモデルはごく少数であろう。
G-SHOCKでは、防じん・防泥構造かつ方位・気温・高度などを計測するセンサーを搭載しており、サバイバルシーンに最適なモデルをラインアップしている。水深や圧力まで測定するダイバーズウォッチもG-SHOCKならではだ。
ムーブメントを浮かせる中空構造の耐衝撃ケースや、15G以上の遠心重力を受けても正常動作する耐遠心重力性能、20Gまでの振動加速度に耐える耐振動構造まで備える。
優美さと先進性が共存する 「オシアナス」
2004年に誕生したオシアナスは、ギリシャ神話の海神オケアノスに由来する名を持つ、優美なフォルムと先進的な機能性が共存するブランドだ。
初代モデルの「OCW-500」は、太陽電池から動力を得て電波時計の機能も持つ「電波ソーラー」であり、高精度なクォーツ式クロノグラフでもあった。
機能性の追求とともに、海をイメージしたオシアナスブルーは深みを増しており、ビジネスシーンでも活躍するスタイリッシュなモデルが豊富である。
スポーティーな機能美 「エディフィス」
2000年に誕生したエディフィスは、モータースポーツにインスパイアされた躍動感溢れるデザインや、多様なテクノロジーの組み合わせが魅力的なブランドだ。
外観はスポーティーかつ洗練されたデザインのアナログ腕時計だが、Bluetooth接続によるスマートフォンリンク機能や、磁気センサーによる方位測定機能など複数のエレクトロニクス技術を搭載している。
スポーティーでおしゃれというファッション性だけでなく、ユーザーのライフスタイルに配慮した機能美を備える点がユニークだ。
正確さに定評 「ウェーブセプター」
2001年に誕生したウェーブセプターは、一般的なクォーツ式腕時計を超える高精度と、太陽電池による動力の安定性が魅力的なブランドだ。
日本・北米・ヨーロッパ・中国などの標準電波を受信することにより時刻を自動修正するため、電波を受信できる限り、何年使用してもほとんど誤差を生じない。
搭載する「タフソーラー」システムは蛍光灯など照明器具の光でも充電可能なため、電池交換や充電の心配がない点も大きなメリットだ。