Q:今さら聞けない! コーアクシャル脱進機とはなんですか?
多くのムーブメントで採用されるスイスレバー式脱進機。輪列の回転運動をガンギ車とアンクルを用いて左右の動きに変換し、テンプへ伝える。
A:油切れの起こりづらい脱進機です
機械式時計を構成する機構で最も重要なのが、ゼンマイの回転運動を左右の振幅運動に変える脱進機。今の主流は、問題の少ないスイスレバー脱進機です。しかし、これは油切れを起こしやすく、効率が低いという弱点があります。
そこでオメガは、コーアクシャルという新しい脱進機を採用しました。またの名を同軸脱進機とも言います。これは、油切れが起こりにくく、スイスレバーに比べて、理論上は精度の高い脱進機。とりわけ、主ゼンマイがほどけた状態でも正確さを維持しやすいため、実用時計に向いています。
赤で囲った箇所がコーアクシャル脱進機部分。3層のガンギ車の歯先とアンクルの3つの爪石の接触面積を極小化することで、ロスの少ない伝達効率を実現している。
コーアクシャル脱進機の動きをアニメーション化。ガンギ車とアンクルは高速で絶え間なく動き続けるパーツであり、この部分の摩擦を低減させることで、油切れを起こしづらくしている。
コーアクシャル脱進機を搭載するためには専用設計のムーブメントが必要
もっとも、デメリットもあります。まずは、正確な工作精度で作られた部品でないと動かなくなること。オメガは10年以上を費やして、コーアクシャル脱進機を安定したものに改良しました。そしてもうひとつが、理想的なコーアクシャル脱進機を載せるにはスペースを取ってしまうこと。つまり、コーアクシャル脱進機の性能を発揮させるには、新規にムーブメントを作る必要があったのです。
現在のオメガ製コーアクシャル脱進機は、スイスレバー脱進機並に信頼製が高くなったほか、コーアクシャル脱進機専用のムーブメントのおかげで、高い性能を十分に発揮できるようになりました。
『クロノス日本版』のお勧めは、コーアクシャル脱進機に加えて、耐磁性能を高めたマスター クロノメーターモデル。現在売られているオメガの多くはマスター クロノメーターなので、現行品を買えばまず安心でしょう。
コーアクシャル機構やマスター クロノメーターを知る。仕組みを解説
https://www.webchronos.net/features/42265/
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時計用語辞典「コーアクシャル脱進機」
https://www.webchronos.net/dictionary/10537/
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