2019年秋に高らかに発表され、ブランド初のラグジュアリースポーツとして位置づけられているベル&ロスの「BR 05」コレクション。その中でも注目の的なのが、ブルーのスケルトンダイアルを持つ「BR 05 スケルトン ブルー」だ。昨年9月に18KRGケースをまとい、オンリーウォッチで出品されたユニークピースをSSケースに改めた同モデルは、世界限定500本のみが販売される。
Text by Mark Bernardo
ユニークピースをベースにした限定モデル
ベル&ロスの「BR 05 スケルトン ブルー」は、2019年9月のオンリーウォッチに出品された「BR 05 スケルトン ゴールド ブルー」のケースをステンレススティールに改め、500本の限定モデルとして発売したモデルだ。
面取りを施した上で、側面にサテン仕上げを与えた直径40mmのSSケースは、46mm径のBR 01や42mm径のBR 03と比べるとダウンサイズとなっており、最も小さいインストルメントモデルであるBR Sの39mm径よりわずかに大きい。
BR 05を語る上で欠かせないのが、同コレクション専用に設計された、ブランド初となる一体型ブレスレットだ。丸みを帯びた長方形のセンターリンクにポリッシュ仕上げを、リンクによってつなげられるH型のコマにはサテン仕上げと、ケース同様にここでも異なる仕上げが組み合わせられている。
自動巻き(Cal.BR-CAL.322)。25石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約42時間。SS(直径40mm)。100m防水。73万円(税別)。
ブルーに着色されたサファイアクリスタル製ダイアル
ブレスレットはしなやかに曲がるよう設計されており、さまざまな手首のサイズにフィットするよう柔軟性を持つ。ダブルフォールディングのスティール製バックルには着脱が容易なようにプッシュボタンが設けられるており、こちらにもラグジュアリーなポリッシュとサテン仕上げが表面には施されている。
ベル&ロスの「&」ロゴが、ロッキング機構の役割を果たしている点はユニークだ。また、ブレスレットに加え、BR 05 スケルトン ブルーには細かいラインが複数入った一体型ブルーラバーストラップの用意もある。
ダイアルに目を移そう。ここで注目したいのは、スーパールミノバが塗布された針とインデックスを備えたブルーカラーの透明なクリスタル製文字盤である。そしてその背後にはオープンワークが施された自動巻きムーブメントBR-CAL.322が見て取れる。今までダイアルのスケルトン加工は「BR-X2 トゥールビヨン マイクロローター」など最もハイエンドなピースに限定されていたからである。
自動巻き(Cal.BR-CAL.322)。25石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約42時間。SS(直径40mm)。100m防水。79万円(税別)。
今回のモデルではシースルーバックから見えるローターにロゴが配され、ブルーカラーでコーティングされている。シースルーバック採用も角形のBRシリーズではどちらかというと珍しい方で、BR 05をそのほかのコレクションと一線を画する存在としている。
ベル&ロスの共同創業者、カルロス・ロシロは、「自動車業界においては、中身の技術的要素が外観よりも重要とされています。そのため多くのスポーツカーではエンジンを通して、この技術的要素を伝えようとしています。そしてこれは時計でも同様です。つまり、BR 05 スケルトン ブルーが搭載するBR-CAL.322は、ベル&ロスがカスタムしたエンジンなのです。時計作りにおいてスケルトン加工の魅力は、この洗練されたムーブメントをケースから取り出さずとも、鑑賞できるところにあると思う」と語っている。
搭載される自動巻きムーブメント、BR-CAL.322は2万8800振動/時と約42時間のパワーリザーブというスペックから勘のいい読者ならお気付きだろう、SW300をベースとしている。2019年末にもスケルトンダイアルモデルは500本限定で販売されているが、この時はサファイアクリスタルの文字盤は完全な透明で、お世辞にも視認性に優れているとは言えなかった。そのため、計時をより容易にした爽やかなサファイアクリスタルによるブルーダイアルの追加は、以前のスケルトンモデルを見送った人にもおすすめだ。
Contact info: ベル&ロス ジャパン Tel.03-5977-7759
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