一流のセレブたちは一体どんな腕時計を選ぶのか? 世界のセレブたちのワンシーンを切り取り紹介する連載コラム「セレブウォッチ・ハンティング」。今回は、ウーバー・テクノロジーズCEOのダラ・コスロシャヒが選ぶ腕時計を紹介しよう!
ダラ・コスロシャヒ
アメリカ、カリフォルニア州サンフランシスコに拠点を置くウーバー・テクノロジーズ。現在、世界70カ国・450都市以上で事業展開する世界的企業だ。2009年の創業時の主たる事業はドライバーと乗客を結び付けるライドシェアサービスであったが、今日の新型コロナウイルス感染拡大の影響による世界的な「宅配バブル」を受け、2020年4~6月期決算では「ウーバーイーツ」でおなじみの宅配サービス部門の売り上げをウーバー全体の50%以上に伸ばした。この変化の激しい時代に同社の舵を取っているのが、イラン系アメリカ人CEOのダラ・コスロシャヒだ。
コスロシャヒは2020年現在で51歳。金融業界でキャリアを積んだのち、エクスペディアのCEOに就任。同社をアメリカ最大のオンライン旅行代理店へと導いた経歴を持つ。経営手腕とIT活用術が買われ、2017年にウーバー2代目CEOに抜擢された。求人情報検索サイト「Glassdoor」による従業員の匿名評価では常に高得点をキープし、謙虚でフレンドリーと人柄も評価される人物である。
そんなダラ・コスロシャヒは、機械式腕時計の愛好家としても知られている。これまで、A.ランゲ&ゾーネ「サクソニア」のドレッシーなスモールセコンドモデルや、スポーティーなショパールの「ミッレミリア」、摩訶不思議な動きを見せるディスクを備えたレッセンスの「タイプ1」など幅広いコレクションが目撃されてきた。
その中でも近年、頻繁に着用する姿が見られた1本が、ノモスの「ラムダディープブルー」だ。
ノモス
「ラムダディープブルー」
ノモスは、1990年のドイツ再統一後、ローランド・シュベルトナーによってグラスヒュッテで設立され、ドイツ時計産業復興の先駆けとなった時計メーカーだ。
シンプルなデザインを特徴とするノモス。その中でも、2013年に登場し、18Kゴールドケースに手巻きキャリバー「DUW1001」を搭載する最上位コレクションが「ラムダ」である。
ラムダ最大の特徴は、文字盤センターから12時方向にかけて大きく設けられたパワーリザーブ表示だ。ここにはツインバレルによる約84時間の駆動時間の残量が示される。サファイアクリスタルケースバックから鑑賞可能なムーブメントは、サンビーム仕上げの装飾が施された4分の3プレートや、ゴールドシャトンで固定された軸受けなど伝統的なグラスヒュッテ様式にのっとったデザインコードを持つ。他にもスワンネック型緩急針や、チラネジ式テンワといった古典的な仕様が備わる。テンプ受けに手彫りで刻印されたメッセージは「Mit Liebe in Glashütte gefertigt(グラスヒュッテより愛をこめて)」。
おそらくダラ・コスロシャヒは近い将来にも新しい1本を見せてくれるに違いない。次に選ばれるのは果たしてどんなモデルだろうか?
https://www.webchronos.net/features/48731/