高い技術を伴って実用性を追求するシチズン時計は、世界に先駆けてさまざまなテクノロジーを開発しており、現在ではスマートウォッチにも力を入れている。歴史あるマニュファクチュールから生まれる、アナログ式スマートウォッチの魅力を探ろう。
国産大手時計メーカーのシチズン時計
シチズン時計は時計製造における世界最高峰の技術を誇り、世界初となる業績の数々を積み重ねてきた。日本が誇るマニュファクチュールであるシチズン時計のモットーや技術力を見ていこう。
市民に愛されるようにという熱い想い
1918年に、シチズン時計の前身である尚工舎時計研究所を創業。1924年に発売された初の製品に「永く広く市民(Citizen)に愛されるように」と「CITIZEN」と名付け、社名にも取り入れられた。
市民を“自由精神のもとに改革を進める文化の担い手”と捉え、時計の未来を切り開くことがマニュファクチュールの使命と考えているのだ。
機械式懐中時計から始まったシチズンの時計生産は、クォーツ式にも拡大。1975年には年差±3秒の超高精度クォーツ式時計「クリストロン メガ」、76年には世界初のアナログ式太陽電池時計「クリストロン ソーラーセル」を発表するなど、時代の先端を行く卓越した業績を積み重ねていった。
世界に負けない高い技術力
シチズン時計は世界初や業界初の技術で、時計業界をリードし、独自の光発電技術「エコ・ドライブ」を用いたモデルは、蛍光灯のわずかな光でも充電でき、フル充電から約7年間動作するものさえある。
2012年には世界初Bluetooth®付光発電時計「エコ・ドライブ Bluetooth」、16年にはケース厚わずか2.98mmの世界最薄アナログ式光発電時計「Eco-Drive One」、19年にはシチズンの最高峰ブランド『The CITIZEN』より自律型で年差±1秒の世界最高精度アナログ式光発電時計を発売した。
表面硬化技術「デュラテクト」やステンレスより5倍以上硬い「スーパーチタニウム」を素材に採用したり、GPS衛星を利用して時刻・日付を自動修正する「サテライト ウエーブ GPS」を発表したり、科学的に実用性を追求する技術が特徴だ。
またシチズンは、スマートウォッチの先駆者でもある。あまり知られていないが、2006年にはBluetooth®搭載腕時計「i:VIRT(アイバート)」を世界で初めて販売していた。
現在では、駆動だけでも機械式、電池式、エコ・ドライブ(光発電)と3種あり、伝統的な機械式3針から電波時計やスマートウォッチまで、バリエーション豊富に商品を展開する。これは、伝統と先進技術の掛け合わせによってこそできる、シチズンならではのラインナップと言えるだろう。
スマートウォッチとは?
誰もがスマートフォンを持つ時代になり、腕時計においてもスマートウォッチを選択するユーザーが増えている。市民にフォーカスするシチズン時計にとって、スマートウォッチの市場成長は重大な関心事だ。
スマートウォッチの機能と、一般的なタッチパネル式とシチズンが採用するアナログ式との違いを見ていこう。
ウェアラブル端末の代表スマートウォッチ
「スマートウォッチ(コネクテッドウォッチ)」とは、無線接続でスマートフォンと連動する機能を備えた、腕時計状のウェアラブルデバイスの総称である。
スマートフォンと同じくOSで制御し、純正あるいはサードパーティー製のアプリが利用できる。時刻知るだけでなく、「時刻表示もできる多機能デバイス」といった製品も多い。
スマートウォッチでできること
スマートウォッチは、スマートフォンと連動して電話・メールの通知を受けたりアラームを設定したりできる。手首で反応するため、スマートフォンより通知を見逃しにくい。
時刻確認とともに天気をチェックしたり、音楽ストリーミングサービスを利用したりすることも可能だ。
各種センサーの搭載によって心拍数の測定や移動経路の記録ができるので、ランニング中のパフォーマンスや走行コースのデータを管理できる。さらに、おサイフケータイ アプリと連動して電子決済端末としての利用も可能で、実に多用途に活用できる。
アナログ表示とタッチパネル式
スマートウォッチは、ダイアルの仕様によってタッチパネル式とアナログ表示式に区別できる。
タッチパネル式は、液晶画面を指で触って操作する。スマートフォンよりは機能が限定されるが、手首につける小型スマートフォンとイメージしてほしい。ポケットから取り出す動作を省略できるのも利点だ。
アナログ表示式は針を備えているため、より腕時計らしい見た目だ。操作はボタンや同期させたスマートフォンから行う。タッチパネル式に比べ表示内容は制限されるが、従来の腕時計に便利な機能を複数追加した使い心地が魅力だ。時刻・日付はスマートフォンと連動して自動修正されるものが多い。
特別な操作が必要ないのも便利だ。