グランドセイコーのマスターショップとショップ限定モデルについて知ろう

FEATUREその他
2020.12.05

グランドセイコーはマスターショップ限定モデルや店舗限定モデルを随時発売している。2017年のブランド独立以降、ますますラインナップが拡大するグランドセイコーの限定モデルについて解説するとともに、主なマスターショップ限定モデルも紹介する。

マスターショップ


グランドセイコーのマスターショップとは

グランドセイコーの販売店は「グランドセイコーショップ」と呼ばれる。ただし、全店舗がすべての商品を扱えるわけではなく、一部のモデルは「マスターショップ」などの認定を受けた販売店のみでの取り扱いとなる。

グランドセイコーが認定した一部の販売店を指す

グランドセイコーの「マスターショップ」とは、グランドセイコーの認定を受け「マスターショップ限定モデル」の販売を許された販売店である。

グランドセイコーの販売店のうち、「グランドセイコーブティックフラッグシップ」である銀座・和光や「グランドセイコーブティック」の14店舗、「グランドセイコーサロン」の32店舗、「グランドセイコー マスターショップ」の113店舗を含む全国140以上の店舗で「マスターショップ限定モデル」は販売されている。

全国のマスターショップ

既存の販売店がグランドセイコーの認定を受ければマスターショップとなるため、長い歴史のある店舗もあれば最近認定を受けた店舗もある。

マスターショップ認定店は主に三越や髙島屋、そごう、大丸などの百貨店や、全国各地のグランドセイコーの路面店などだ。

認定店は北海道から沖縄県まで、秋田県と滋賀県、佐賀県を除く都道府県に分布している。最寄りの認定店を探したい場合には、グランドセイコー公式サイトの「STORES」から「FILTER」で「Grand Seiko Mastershop」をチェックすれば確認できる。

最寄りの店舗は、グランドセイコーのホームページにある「STORES」からフィルターで検索が可能だ


マスターショップ限定モデルについて

マスターショップ限定モデルが全国の認定店のみで購入できるのに対し、店舗限定モデルは取扱店が数店舗、場合によっては1店舗のみとなる。一般モデルとマスターショップ限定モデルとの違いや、店舗限定モデルについて見ていこう。

一般モデルとの違い

マスターショップ限定モデルは、国内外のマスターショップ認定店でしか手に入らない。

たとえば2020年に発表されている「グランドセイコー誕生60周年記念限定モデル」のうち、世界限定700本の「SLGA001」や、12月に発売される世界限定1000本の「SLGH003」などがこれにあたる。

一般モデルと保証の違いはないが、そのプレミアム感やステータス性には大きな差があるため、マスターショップ限定モデルを手に入れたいと思うファンは多い。

SLGA001

SLGA001
グランドセイコー60周年記念限定モデルとして2020年11月に世界限定700本で発売された「SLGA001」。最大5日間のロングパワーリザーブを実現したスプリングドライブ・ムーブメント9RA5の搭載が大きな話題となった。スプリングドライブ自動巻き(Cal.9RA5)。38石。パワーリザーブ約120時間。ブライトチタン(直径46.9mm)。600m防水。115万円(税別)。
SLGH003

SLGH003
こちらもグランドセイコーの60周年を記念した世界1000本の限定モデル「SLGH003」。約80時間のパワーリザーブを実現したハイビートムーブメント9SA5を搭載。自動巻き(Cal.9SA5)。47石。3万6000振動/時。パワーリザーブ約80時間。SS(直径40mm)。日常生活用強化防水(10気圧)。100万円(税別)。2020年12月発売予定。

店舗限定のモデルも

マスターショップ限定モデルよりさらに希少価値の高い店舗限定モデルも随時発売される。たとえば和光専用モデル、日本橋三越本店限定モデル、髙島屋限定販売モデル、グランドセイコーブティック専用モデルなどだ。

店舗限定モデルの取扱店は、グランドセイコー公式サイトのSTORESから、FILTERにし「店舗限定モデル」にチェックを入れて検索できる。

2020年6月下旬には、東京・銀座エリアの6店舗限定で「Grand Seiko Heritage Collection GINZA Limited Edition(SBGA425)」が250本限定で発売された。

SBGA425

SBGA425
銀座の夜の街並みを表現した、独創的なブラックダイアルが印象的な「SBGA425」は、銀座エリアの限られた店舗のみで250本が発売された。シースルーバックには獅子の紋章とともに、銀座の夜の電飾を想起させるリースパターンがあしらわれている。スプリングドライブ自動巻き(Cal.9R65)。30石。パワーリザーブ約72時間。SS(直径40mm)。日常生活用強化防水(10気圧)。59万円(税別)。


主なマスターショップ限定モデル

マスターショップ限定モデルは、そのプレミアム性から高い人気を誇る。過去に発売されたモデルの中から、大きな人気を博した3モデルを紹介しよう。

ラグジュアリー仕様が魅力 ブラックセラミックスコレクション スプリングドライブ クロノグラフ GMT

SBGC219

SBGC219
スプリングドライブ自動巻き(Cal.9R96)。50石。パワーリザーブ約72時間。セラミック×ブライトチタン(直径46.4mm)。日常生活用強化防水(10気圧)。

2017年に発売された「ブラックセラミックスコレクション スプリングドライブ クロノグラフ GMT(SBGC219)」は、スプリングドライブ クロノグラフ GMTの誕生10周年を記念する世界限定500本限定のモデルである。

ダイアルは数量限定モデルにのみ採用する「グランドセイコー・ブルー」とピンクゴールドカラーの針、インデックスを組み合わせ、ブランドの独立を象徴するスポーツウォッチの新解釈を表現した。

ホワイトダイアルの「SBGC221」とブラックダイアルの「SBGC223」のバリエーションもあり、いずれもジルコニア・セラミックスとブライトチタンを採用したケースとブレスレットが複雑に輝く、多面体フォルムが美しいモデルだ。

キャリバー 9F86搭載 9Fクォーツ SBGN005

SBGN005

SBGN005
クォーツ(Cal.9F86)。SS(直径39mm)。日常生活用強化防水(10気圧)。

2019年に発売された「SBGN005」は、グランドセイコーで初めてGMT機能を備えたクォーツ・ムーブメント9F86を搭載し、ダイアルに上品なブルーカラーをあしらったモデルだ。

同ムーブメントを搭載した2018年発売の「SBGN001」は800本限定であったが、瞬く間に完売。その後継機として発売されたのが本作である。

ベゼル上の24時間表示やレッドのGMT針が伝統的なセイコースタイルにスポーティーなテイストを付与し、時針単独での時差修正ができる機能性も備えた、ビジネスにもカジュアルにも対応するマルチパーパスなモデルだ。

クラシカルな1本 メカニカルハイビート36000 SBGH039

SBGH039
自動巻き(Cal.9S85)。37石。3万6000振動/時。パワーリザーブ約55時間。SS(直径40mm)。日常生活用強化防水(10気圧)。

2015年にグランドセイコー誕生55周年を記念して発売された「SBGH039」は、1967年に発表されたグランドセイコー初の自動巻き時計「62GS」を現代的なデザインに仕上げた世界700本の限定モデルだ。

鏡面仕上げのケースや大きな弧を描くケースサイドはセイコースタイルの伝統を受け継ぐスタイルだが、4時位置のリュウズは3時位置に移動し、レザーストラップは実用的なステンレススティール製ブレスレットに変更された。

ダークブラウンダイアルやボックス型風防がクラシックな雰囲気を放つ一方で、ムーブメントには3万6000振動/時のCal.9S85を搭載し、現代のニーズに応える精度や耐久性も備えていた。


限定モデルを着けてみよう

グランドセイコーはさまざまな復刻モデルを発売しており、ブランドとして独立した2017年以降は斬新なデザインの限定モデルも増えている。気に入った限定モデルがあればいち早くチェックして手に入れたい。

川部憲 Text by Ken Kawabe


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