ケース・バイ・ケースの対応
腕時計を着けながら生活をしていると、さまざまな場面に遭遇するだろう。その時々でどのように対応すべきか、事例別に見ていこう。
濡らした場合
一般的に、革は水に弱い性質を持っている。それゆえ、濡らしてしまった時の対処法を知っておくことは大切だ。
濡れてしまっても、水への浸け置き洗いの時と同様、直射日光で乾かすことなどは避けてほしい。紫外線の影響で、革の繊維の劣化を早めてしまうからだ。
また、ドライヤーの温風は、日光以上に大きなダメージをもたらすといわれる。急激に乾かすことで、革の劣化や収縮を招いてしまうのだ。
濡らしてしまった際は、はやる気持ちを抑え、じっくりと陰干ししよう。濡れた状態でしまい込まず、風通しの良い日陰に最低1日程度は放置しておくと良いだろう。
黒ずみができた場合
革ベルトは、使い込むほどに味が出る。しかし、愛用しているうちに汗などを吸い、黒ずみができることがあるだろう。
黒ずみを発見した場合、どのような手入れをすると良いのだろうか。その方法について説明しよう。
その対処策としては、先に紹介した基本の手入れ方法と同様に行おう。そして、黒ずみが特に目立つ場所は、柔らかなブラシなどを用いて軽くこするように洗ってほしい。
その際、硬いブラシを選んだり、強くこすったりすることはNGだ。デリケートな革は、優しくソフトにケアしたい。
臭いの対策
革ベルトは、金属製ブレスレットに比べて、臭いが気になるものだ。しかし、適切にケアすることで、ある程度防げるだろう。
臭いの主な原因には、汗や垢(あか)などがある。これらが体から出ないようにすることは不可能で、だからこそ付着した時の手入れが大切になる。
最もしてはいけないことは、これらの汚れを放置しておくことだ。そこに細菌やカビが発生し、臭いを発することにつながってしまう。
細菌やカビは、湿気を好む性質がある。それゆえ、臭い対策として、陰干しをしてよく乾燥させることが大切だ。
革ベルトを長持ちさせるには
基本的な手入れの仕方や、汚れた時の対処法について解説してきた。ここからは、革ベルトを長持ちさせるための心得について紹介していくことにしよう。
夏場など汗をかいたらきちんと拭く
革は水分に弱いこと、そして汗や垢が湿気を帯びた時に細菌やカビが発生しやすいことは、先に説明した通りだ。黒ずみなどの汚れを生むと同時に、臭いのもとにもなる。
このことからも、夏場の汗は、革ベルトにとって大敵であることが分かるだろう。夏季は特に、臭い対策にも万全な配慮をすることで、より快適に腕時計を装着できる。
汗をかいた後は、柔らかい布などで、革ベルトをきちんと拭き、清潔に保つことを心掛けてほしい。そして、特に水分が気にならなくても、ソフトに拭くことを日課にしたいものだ。
着脱は優しく丁寧に
とてもデリケートな革だからこそ、頻繁に行う時計の着脱作業は、優しく丁寧に行いたい。手荒な動作は、いたずらにベルトを傷つけてしまうことになる。
時計を身に着ける際に、きつく締め過ぎないように気を配ろう。しっかりと装着しようと考え、必要以上に強く巻く人を見かけるが、控えてほしい行為だ。
革は、引っ張ることでも劣化を招いてしまう。きつく締めることで、常に張っている状態になってしまうのだ。
折り曲げることも、革にダメージを与えてしまう。ベルトを締める時に、つく棒を小穴に入れようと、外側に反らせるように無理に折り曲げていることがある。
これを何度も繰り返してしまうことで、革の損傷を早めてしまうのだ。着脱は、できるだけソフトに、優しく行ってほしい。
きちんと手入れして長く使おう
繊細な革ベルトは、美しい見た目を持ちつつ、とてもデリケートなものだ。愛用し続けるには、それなりの配慮が求められる。
日頃の手入れやいざという時の対処方法を学んで、いつまでも長く使ってもらいたいものだ。
https://www.webchronos.net/features/22670/
https://www.webchronos.net/features/47119
https://www.webchronos.net/news/55645/