アンティークウォッチが欲しいけど、何を買ったらいいですか?/ぜんまい知恵袋〜時計の疑問に答えます〜

2020.08.30

Q:アンティークウォッチが欲しいけど、何を買ったらいいですか?


広田雅将

A:防水ケースモデルだと実用性が高まるのでおすすめです

現行品を使っているけど、アンティークウォッチにも興味がわいてきた、という時計好きの心情変化は少なくありません。では、どんなモデルがお勧めなのでしょうか? 人によって意見はさまざまですが、以下の条件を満たせば、普段使いは可能です。

普段使い用アンティークウォッチを購入する際のポイント

・1960年代以降の防水ケースを持つもの。ねじ込み式の裏蓋を持つことが望ましい。
・数のあるモデルを選ぶこと。修理部品が多くあるため。
・信頼できる店で買うこと。

1960年代以降、ケースの気密性が高まったため、時計の実用性は大きく高まりました。水にさらすことは難しいですが、きちんと修理された個体であれば、湿気はシャットアウトできるでしょう。

シーマスター300

アンティークウォッチの入り口としておすすめされることが多いのがオメガの「シーマスター300」である。防水ケースは使い勝手が良いだけでなく、湿気の多い日本において、良好なコンディションを保った個体が多いことの理由にもつながる。また流通数が多いため、パーツの入手性にも優れている。写真は1965年に発表された第3世代のもの。


ロレックスやオメガなどの「売れた時計」は程度の良いものが入手しやすい

また、初めてアンティークウォッチを選ぶならば、数の売れたモデルから選択する方が望ましいです。レアものを欲しがる人は少なくないですが、売れた時計は修理部品も手に入りやすいのです。ではどんなモデルがお勧めか。

代表的なおすすめモデル

・ロレックスのCal.15**系搭載機。「デイトジャスト」「デイト」など。
・オメガのCal.560系、Cal.750系搭載機。「シーマスター300」や「コンステレーション」など。
・IWCのCal.854、Cal.8541搭載機。防水ケースならCal.89やCal.4**系搭載機も可。
・セイコーのCal.56系、Cal.61系搭載機。「ロードマーベル36000」など。

もちろん、これ以外にもお勧めは多くありますが、上記のモデルは数が多く作られたため、程度の良い物を手に入れやすく、修理も容易なのです。なお、時計を買う際は金額だけで選ばないこと。できれば信頼できる店で、修理された個体を買うのが賢明です。壊れていないという理由でメンテナンスされていない時計を使い続けると、修理費が高くつくでしょう。

また、使う際は水にさらさないこと、直射日光にさらさないこと、磁気には気をつけること、そして使ったら時計を拭くこと。この条件さえ守れば、昔の時計といえども、普段使いすることは難しくないはずです。



アイコニックピースの肖像/オメガ「シーマスター300」

https://www.webchronos.net/iconic/22246/
アンティークウォッチを普段使いにする プライベートアイズのブレスレット

https://www.webchronos.net/features/15501/