メイラードが大規模国際時計見本市を問う
物理的世界と仮想世界のバランスを探る
今年の物理的な集会の欠如は、2020年においてどれほど時計フェアが重要だったか、時計フェアがなくて不自由だったかを示すことになった。デジタルは確かに優れているが、やはり物理的な集会の方が、特にタイムキーピングという非仮想産業においては優れている。
2021年4月にジュネーブで新たなグローバルイベントが計画されているが、特に小規模、独立系、非スイスブランドの存在について、多くの疑問が残されたままである。業界は、コミュニケーションの種類ごとに適切な額の予算を割り当てることにより、物理的な世界と仮想世界のより良いバランスを探るだろうと、私は信じている。それらは補完的であり、代替可能ではない。
このグローバルイベントに加えて、彼らが対象とする地域の明らかな現実に適応させた地域や地方のショーを、私たちは見続けるだろう。しかし、パンデミックが物理的なイベントに及ぼす長期的な影響について、私は正確にはわからない。
どんな安全対策が採られるのだろうか? すべての人がマスクを着用するのだろうか? 大規模な集会に関する新しい一連のガイドラインが導入され、2度目のパンデミックのリスクに対応するための適応が、日々の生活に必要とされるかもしれない。時計ショーは、事業計画の中で、これらの新しい衛生手順を考慮しなければならない。
選者のプロフィール
Serge Maillard/セルジュ・メイラード
1927年にスイスで創刊された歴史ある時計専門誌『ヨーロッパスター』の発行人兼編集長。同誌は家族経営の独立系メディアであり、セルジュ・メイラード氏は創立者のひ孫に当たる。