シチズン時計は、高品質の時計を数多く手掛ける日本の時計メーカーである。時計はもちろん、世に送り出すムーブメントは、世界でもトップクラスのシェアを誇る。同社の時計を愛用し続けるために、修理の流れや保証の内容などについて知っておこう。
シチズン時計の修理サービスの流れ
シチズン時計の前身は、貴金属商の山崎亀吉が1918(大正7)年に創業した尚工舎時計研究所にある。
山崎は「国産の懐中時計を広めたい」との理念を掲げて開発に邁進し、24年に現在のシチズン時計のブランドの基礎となる懐中時計「CITIZEN」を発表した。
シチズンの名は、山崎と親交があった政治家・後藤新平によって「永く広く市民に親しまれるように」との意味を込めて名付けられ、後に社名ともなっている。
「市民に愛されるように」という理念は、その後、製造・販売のみならず修理やメンテナンス業務でも徹底されている。シチズン時計の修理の流れを見ていこう。
申し込みから発送
まず、手元に保証書を用意しよう。購入時期や保証期間、機種番号(キャリバーナンバー)をチェックし、期限切れなどが発生していないかを確認する。不明確な点があれば、正規品と見なされない場合があるので気を付けたい。
次に、確認した内容をもとに「時計修理申込書」を記入する。用紙は同社公式サイト内からダウンロード可能だ。プリンターがない場合は同内容を記載した紙でもよい。その際、記載済みの申込書はコピーや写真をとり、手元に置いておこう。
時計を梱包し、作成した修理申込書と保証書を同封して送付する。送り先は、同申込書に記載されているので参照してほしい。また「MY CITIZEN シチズン オーナーズクラブ」会員サイトにて登録しているMY CITIZEN会員であれば、ウェブ修理依頼の申し込みができる。この場合は、ウェブ申し込みでピックアップしてもらうことが可能だ。https://my.citizen.jp/s/login/
CITIZEN|通常の修理の流れ
見積もりから完了まで
同社が時計を受け取ると、シチズン時計の専門スタッフによってチェックが行われる。
その後、速やかに見積もりが作成され、申込書に記載されている連絡方法でユーザーにアナウンスがなされる。
提示された修理内容や金額について問題がなければ、作業に入る。通常、作業に必要とする期間は2~4週間程度である。
修理が完了すると、代金引換便で時計が届けられる。受け取る際に、修理費用および代引手数料を現金で支払う。
ただし、大掛かりな修理が必要な際には、作業期間や費用が平均を上回るケースもあることは理解しておこう。また、場合によっては修理が不可能で、同社から返送されることもある。
修理項目の詳細
時計は数多くの細かなパーツや機能を備えるため、修理にはいくつもの項目がある。
時計の修理項目について、そのポイントを確認していこう。
内装や外装の修理
ここでは内装と外装に大別し、その内容を紹介したい。「時計が止まった」「時刻に遅れる(もしくは進む)」「各機能に不具合がある」といった場合には、ムーブメントの修理になる。
主な作業は分解掃除やパッキンの交換、防水検査であり、それぞれに修理費用と部品代が発生する。
外装の修理に該当するのは、リュウズやボタンの外れ、ケースや装飾の損傷、針の外れ、バンドの不具合などがある。こちらも修理費用+部品代が必要だ。
例として、分解掃除とリュウズ外れなどのように、内装と外装の修理を同時に行うケースも起こり得る。その際は、外装修理費用は発生しない。内装修理費+内装部品代+外装部品代となる。
指定箇所の修理
バンドやバネ棒の交換、中留の交換、そしてピンチェックといった、指定ポイントの修理を依頼することもできる。
これが適用されるのは、指定する箇所が裏蓋を開ける必要がなく、単一の場合である。
指定するポイントが複数にわたる場合は、外装修理の扱いになるので留意しておこう。
シチズンの保証とサービスについて
クォリティーの高さには定評のあるシチズン時計だが、保証やサービスについても十分な体制を整えている。
ユーザーに大きな安心を与える、充実の中身について紹介しよう。
保証内容
シチズン時計に限らず、購入したアイテムに対して保証書による保証を受けるには、同書への必要事項の記載が求められる。購入の際には、ショップにおいて記載内容を確認しておきたい。
また、保証には日本国内に限定したものと、海外においても保証が受けられるものとがある。海外で時計を使用することが多いユーザーは、購入時に国際保証書の発行を依頼しよう。
シチズン オーナーズサイトとは
「エコ・ドライブ ワン」「ザ・シチズン」「カンパノラ」の3ブランドについては、機能・性能ともに優れた時計をいつまでも大切に使用してもらえるよう、シチズン時計では会員専用のウェブサイト「MY CITIZEN シチズン オーナーズクラブ」を設置して、ユーザーをしっかりとフォローしている。
愛機の保護には、定期的な点検が必要だ。同サイトに登録すると、メンバー専用電話「シチズン オーナーズデスク」との併用で、時計に必要な点検や修理がスムーズに申し込めるようになる。
登録すると、専用サイトへのメモが自由に記載できるようになる。「プロポーズの記念に」「就職の記念に」など、大切な思いでも一緒に残しておこう。
受付店舗
シチズン製品は、直営のシチズンフラッグシップストアのほか、シチズンプレミアムドアーズやシチズンコンセプトショップをはじめ、全国に数多くの正規取扱い店があり、点検や修理の依頼が可能だ。
適切に修理を受けよう
ハイクォリティーで馴染み深い時計は、単なる道具とはいえない。人生における長い時間をともにする友人のような存在だといえる。
大切なタイムピースには、適切な修理とメンテナンスを施したいものだ。シチズン時計の修理の流れを理解して、いつまでも愛用してほしい。
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