Q:時計業界で聞くグレード2とか5のチタンってなんなの?
2020年9月20日掲載記事
A:グレード2が純チタン、グレード5がチタン合金
1980年ごろから時計業界でも使われるようになった新素材がチタンです。軽くてサビにくくアレルギーも起こりにくいため、チタンは時計にとって理想的な素材と言えるでしょう。しかし加工が難しいため、なかなか普及しませんでした。まず、市販モデルの採用に成功したのは日本のシチズンとセイコーで、共に1970年代でした。80年代に入ると、続いてスイスのメーカーもチタン製のケースを採用。今では時計業界では大変ポピュラーな素材になりました。
そんなチタン素材ですが、大きく言うと、現在2種類のものが使われています。それがグレード2とグレード5チタンです。一般的に純チタンと言われるものが前者、後者は混ぜ物をしたチタン合金になります。素材としての特性に優れるのはグレード2。しかし、加工がしにくく筋目といった高級な仕上げが与えられないため、現在は多くのメーカーがグレード5を使うようになりました。ちなみにパネライのように、時計の部分によってチタンを使い分けているメーカーもあります。例えばケースはグレード2、仕上げが必要なベゼル部分などにはグレード5といった具合です。
筋目仕上げを与えづらいとされている純チタン(グレード2)ケースで、筋目仕上げを与えた例。ラグとケースのつなぎ目にまで、しっかりと筋目処理がされているのが分かる。今や、チタンケースに高級な仕上げを与えられないという認識は過去の物になりつつある。
Photograph by Eiichi Okuyama
Photograph by Eiichi Okuyama
前述のように高級な仕上げが与えにくいため、かつてチタン素材と言えばステンレススティールに質感が劣ると言われていました。しかし、今ではグレード5を使ったものであれば、見た目はほぼ遜色がないと言って良いでしょう。素材の特性もグレード2と大きく変わらなくなった、と言われています。なお、チタン素材を使った高級時計として知られるのが、リシャール ミルです。
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