世界有数の高級時計ブランドであるオーデマ ピゲは、代表作の「ロイヤル オーク」をはじめ、さまざまなコレクションを展開している。主な種類とそれぞれの特徴や魅力、自分に合った時計を選ぶ方法などを紹介する。
オーデマ ピゲとは
オーデマ ピゲは、創業以来、高い技術で時計業界をリードしてきた老舗メーカーだ。まずは、ブランドの基礎知識を押さえておこう。
世界3大時計ブランドの一角を占める実力
高級時計といえば、ロレックス、オメガ、タグ・ホイヤーなどを挙げる人も多いだろう。しかし時計業界には、これらのブランド以上に、一流のセレブリティや上流階級層に寵愛される格式高いブランドが存在する。
それが、オーデマ ピゲ、パテック フィリップ、ヴァシュロン・コンスタンタンだ。いずれもスイスの名門ブランドであり、いわゆる世界3大時計ブランドとも称される。
これら3ブランドに共通するのは、由緒ある歴史を持ち、優れた技術力と高い芸術性を備え、業界に多大な影響を与えているという点だ。
なお、オーデマ ピゲだけが、創業一族が今も経営に携わっているブランドである。
ふたりの時計師から始まる
世界3大時計ブランドのひとつであるオーデマ ピゲは、ジュール=ルイ・オーデマとエドワール=オーギュスト・ピゲというふたりの時計師により、1875年に創業された。
当時は、複雑機構を組み込んだ懐中時計が全盛を極めた時期である。オーデマ ピゲも複雑機構を搭載したモデルを数多く手掛け、1921年には直径15.8mmのキャリバー7MV5を搭載した、懐中時計として世界最小(ケース径21.1mm)のリピーターを発表している。
腕時計時代に突入しても、小型化・薄型化への挑戦を続け、50年代には複雑機構の小型化を、67年には世界最薄のムーブメントの開発を成し遂げた。
72年に発表された「ロイヤル オーク」の成功により、世界にオーデマ ピゲの名を轟かせた後も、独自の革新的技術を駆使して画期的なモデルを製造し続けている。
オーデマ ピゲの主なコレクション
オーデマ ピゲは、ブランドを代表するコレクションを複数展開している。特に人気の高いコレクションをチェックしておこう。
ロイヤル オーク
1972年に登場した「ロイヤル オーク」は、オーデマ ピゲの代名詞とも言える、ラグジュアリースポーツウォッチである。高級時計といえば小径のゴールドケースが一般的だったこの時代、ロイヤル オークは直径39mmのステンレススティール製ケースを採用し、話題を呼んだ。
その特徴は8角形のベゼル。それぞれの角に打ち込まれたネジは、ケースの薄型化に貢献するとともに、デザインにアクセントを与える役割も果たしている。
タペストリー模様のダイアルも、コレクションを象徴するディテールのひとつである。また、優れた技術で生み出された美しいラインのケースは、快適な着け心地を実現している。
ロイヤル オーク オフショア
ロイヤル オークを発展させ、よりパワフルかつスポーティーな時計として1993年に発表されたコレクションが「ロイヤル オーク オフショア」である。
初期モデルのケース径は当時としては野心的な42mmもの大きさであり、ラージサイズというトレンドを確立したパイオニア的存在としても知られている。
ダイアルにはラージサイズに合わせた「メガ・タペストリー」が施されるほか、存在感のあるリュウズガードやプッシュボタンも特徴的だ。
コレクションには、より男性的なデザインへと昇華させた「ロイヤル オーク オフショア クロノグラフ」や、本格ダイバーズモデル「ロイヤル オーク オフショア ダイバー」が展開されている。
CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ
ロイヤル オーク オフショア以来、実に26年ぶりの新コレクションとして2019年に誕生したのが「CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ」だ。
挑戦(Challenge)や継承(Own)、追求心(Dare)、進化(Evolve)といったコンセプトワードと、新たな1日が始まる直前を意味する11.59で構成されるコレクション名が示す通り、ブランドのネクストステージを表現する。
最大の特徴はデザイン。一見したところオーソドックスなラウンド型だが、ケースは3層構造になっており、オーデマ ピゲを象徴する8角形のミドルケースやスリムなベゼル、オープンワークのラグなど、伝統の継承と革新性を融合させている。
スタンダードな3針モデルをはじめ、クロノグラフやパーペチュアルカレンダー、トゥールビヨン搭載モデルなど、ラインナップは多彩だ。