1995年にジェームズ・ボンドが着用して以降、すべての007シリーズでボンド ウォッチに採用されているオメガ「シーマスター」。特別にデザインされたボンド ウォッチの歴代モデルや最新3モデルを紹介しよう。
映画「007」シリーズと腕時計
ジェームズ・ボンドが身に着ける腕時計といえば、現在でこそオメガ「シーマスター」のイメージが強いが、過去にはさまざまな時計ブランドがボンド ウォッチに採用されている。
1989年までのボンド ウォッチの変遷と、オメガが採用された95年以降の歴代モデルを見ていこう。
さまざまなブランドがボンドウォッチに
1962年公開の初作『007 ドクター・ノオ』でショーン・コネリー扮する初代ボンドが着用したのは、ロレックスの「サブマリーナー(Ref.6538)」である。
77年公開の『007 私を愛したスパイ』では、ロジャー・ムーア扮する3代目ボンドがセイコーのクォーツ式デジタル腕時計「0674 LC」を着用した。
ティモシー・ダルトンが4代目ボンドを演じた89年公開の『007 消されたライセンス』まで、ボンドは多くの作品でロレックスやセイコーの腕時計を身に着けている。
ほかにも『007 サンダーボール作戦』(65年公開)ではブライトリングの「トップタイム」、『007 死ぬのは奴らだ』(73年公開)ではハミルトンの「パルサー」、『007 リビング・デイライツ』(87年公開)ではタグ・ホイヤーの「プロフェッショナル・ナイトダイブ」も登場した。
オメガの歴代007モデル
95年公開の『007 ゴールデンアイ』でピアース・ブロスナン扮する5代目ボンドがオメガの「シーマスター プロフェッショナル ダイバー300M(Ref.2541.80)」を着用して以降、すべての007シリーズでシーマスターが採用されている。
5代目ボンドは『007 トゥモロー・ネバー・ダイ』(97年公開)、『007 ワールド・イズ・ノット・イナフ』(99年公開)、『007 ダイ・アナザー・デイ』(2002年公開)の3作品で「シーマスター プロフェッショナル ダイバー300M(Ref.2531.80)」を着用した。
6代目ボンドのダニエル・クレイグは、06年公開の『007 カジノ・ロワイヤル』で「シーマスター ダイバー 300M(Ref.2220.80)」と「シーマスター・プラネットオーシャン(Ref.2900.50.91)」を着用する。
続く『007 慰めの報酬』(08年公開)と『007 スカイフォール』(12年公開)では「シーマスター プラネットオーシャン」を、『007 スペクター』(15年公開)では「シーマスター 300 “スペクター”」と「シーマスター アクアテラ」をそれぞれ着用した。
2020パートナーシップ顕彰モデル
自動巻き(Cal.8807)。35石。2万5200振動/時。パワーリザーブ約55時間。プラチナゴールド(直径42mm)。30気圧防水。オメガブティック限定。612万7000円(税込み)。
オメガとジェームズ・ボンドとの長年に渡るパートナーシップを祝して、2020年にはブティック限定の「シーマスター ダイバー300M ジェームズ・ボンド プラチナ ナンバード エディション」が発表された。
最新のジェームズ・ボンド特別モデルの概要を見ていこう。
ジェームズ・ボンド ナンバード エディションのスペック
ケース径42mmの「シーマスター ダイバー300M ジェームズ・ボンド プラチナ ナンバード エディション」は、30気圧の防水性とヘリウムエスケープバルブを備えた本格ダイバーズウォッチである。
コーアクシャル脱進機搭載の自動巻きムーブメントCal.8807を搭載し、1万5000ガウスの耐磁性能を誇る「マスター クロノメーター」だ。
アラベスク調ジュネーブウェーブが刻まれた18Kセドナゴールド製ローターとブリッジはケースバックから鑑賞できる。パワーリザーブは約55時間だ。
ベゼルはブラックセラミック製、ダイアルはブラックエナメル仕上げ、ケースはプラチナ950にゴールドを2%加えた「プラチナゴールド」製である。
随所に散りばめられた007ロゴが特徴
ホワイトエナメル仕上げのミニッツトラックは一見すると数字を用いていないが、7時位置にのみ小さく「007」のロゴが描かれている。
針やインデックスは18Kホワイトゴールド製で、12時位置のインデックスはボンド家の紋章だ。ダイアルには18Kホワイトゴールドでガンバレル(銃身)を模した螺旋が描かれ、中央の円はボンドが使用する弾丸と同じ直径9mmである。
さらに『女王陛下の007』の上映50周年を記念して、10時位置には夜光塗料で「50」のシークレットナンバーが描かれている。007のファンがニヤリとするディテールに満ちた逸品だ。
プラチナの立体的ダイビングスケール
ブラックセラミックベゼル上のダイビングスケールは、ケースと同じくプラチナ製。
しかも一般的なダイビングスケールとは異なり、インデックス部分を立体的に仕上げている。これは「ポジティブレリーフ」と呼ばれるデザインで、個性的な時計の魅力に花を添えるアクセントだ。
2019『007 ノー・タイム・トゥ・ダイ』着用モデル
自動巻き(Cal.8806)。35石。2万5200振動/時。パワーリザーブ約55時間。Ti(直径42mm)。30気圧防水。108万9000円(税込み)。
「シーマスター ダイバー300M 007 エディション」は、2021年公開予定の最新作『007 ノー・タイム・トゥ・ダイ』でボンドが着用する時計と全く同じ仕様の特別モデルである。スペックやデザイン、素材の特徴を見ていこう。
007 エディションのスペック
ケース径42mmの「シーマスター ダイバー300M 007 エディション」は、30気圧の防水性能とヘリウムエスケープバルブに加え、高耐磁性能を備えたマスター クロノメーターである。
機能面では2020年発売のジェームズ・ボンド プラチナ ナンバード エディションと大きな差はないが、ダニエル・クレイグや映画製作陣の意見を反映したチタン製の軽量ボディや、ミリタリー仕様のデザインが魅力である。
ケース厚は標準的な「シーマスター ダイバー 300M」よりわずかに薄く、裏蓋は「007」のロゴを配したソリッドバックを採用している。
6時位置のブロードアローが特徴
ダイアル6時位置にはイギリスの官有物であることを表す「ブロードアロー」を配している。つまりは、ボンドが所属する「MI6(英国軍事情報局第6課)」のエージェント仕様ということだ。
またケースバックには、イギリス軍が支給する時計に付与する管理番号を模した数字が刻印されている。番号末尾の「62」は初作『007 ドクター・ノオ』の公開年を表す。
グレード2チタンで頑丈
ケースと調整可能なメッシュブレスレットには、堅牢かつ軽量なグレード2チタンを採用している。
軽量ながらも、30気圧防水や1万5000ガウスの耐磁性能を備えるため、あらゆるシーンでタフに活躍するモデルだ。
2019『女王陛下の007』50周年記念モデル
自動巻き(Cal.8800)。35石。2万5200振動/時。パワーリザーブ約55時間。SS(直径42mm)。30気圧防水。世界限定7007本。77万円(税込み)。
2019年に発売された限定モデル、「シーマスター ダイバー300M ジェームズ・ボンド リミテッド エディション」を紹介しよう。
ジェームズ・ボンド リミテッド エディションのスペック
ケース径42mmの「シーマスター ダイバー300M ジェームズ・ボンド リミテッド エディション」は、30気圧の防水性とヘリウムエスケープバルブを備えた、デイト表示付きのマスター クロノメーターである。
ケースはステンレススティール製で、針とインデックスには12時位置のボンド家の紋章も含めて18Kイエローゴールドを使用。耐磁性能は1万5000ガウスである。
映画公開50周年記念の限定モデル
1969年に公開された『女王陛下の007』は、ジョージ・レーゼンビーがボンド役を務めた唯一の作品。「シーマスター ダイバー300M ジェームズ・ボンド リミテッド エディション」は、同作品の上映50周年を記念して作られたモデルだ。
世界限定7007本の限定生産で、ケースサイドの18Kイエローゴールド製プレートに限定番号が刻印される。
2020年発売のジェームズ・ボンド プラチナ ナンバード エディションと同じく、10時位置のインデックスには「50」の文字が隠され、暗所で浮かび上がる仕様だ。
ガンバレルデザインが特徴的
ブラックセラミック製ダイアルには、ガンバレルデザインがレーザーエングレービングされ、ダイアル全体が螺旋状のデザインに仕上げられている。
6時位置のデイト表示に現れる「7」の数字には、007ロゴと同じフォントを用いた。12時位置のインデックスはボンド家の紋章にインスパイアされたデザインだが、裏蓋のサファイアクリスタルには完全な紋章が描かれている。
ボンドウォッチをその手に
オメガは007シリーズとのパートナーシップの中で特別なボンドウォッチを製作し続けてきた。ジェームズ・ボンドのエッセンスを巧みに取り入れた、抜群にタフなボンド ウォッチを手に入れよう。
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