一流のセレブたちは一体どんな腕時計を選ぶのか? 世界のセレブたちのワンシーンを切り取り紹介する連載コラム「セレブウォッチ・ハンティング」。今回はハリウッドを代表する名女優、メリル・ストリープの腕時計を紹介しよう!
メリル・ストリープ
アカデミー賞に21回ノミネートという俳優としての最多記録を持ち「ハリウッドの生ける伝説」と形容される女優、メリル・ストリープ。1949年にアメリカ・ニュージャージー州で生まれ、40年以上ハリウッドの第一線で活躍してきた彼女は、常に自然体で年相応に美を謳歌し、人々を魅了してきた。例えば美しき悲恋を描いた「マディソン郡の橋」(1995年)の出演当時は45歳、一流ファッション誌の編集長を演じた「プラダを着た悪魔」(2006年)は57歳、イギリス初の女性首相となったマーガレット・サッチャーの半生を描いた「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」(2011年)では62歳というように、歳を重ねることの楽しさをスクリーン上で教えてくれるような存在である。
今回紹介する1枚は、2017年にワシントンD.C.でワールドプレミアに登場したメリル・ストリープの姿だ。ファーをあしらったゴージャスなプラダのスーツに合わせて彼女がまとう腕時計を見てみよう。ここに見られるのは、カルティエのアイコンウォッチ「パンテール」だ。
カルティエ「パンテール ドゥ カルティエ」
アクセサリーのような装いと、カルティエらしい気品を兼ね備えたレディスウォッチ「パンテール ドゥ カルティエ」。その基本的なデザインコードには、角型ケース、細かいリンクが連なった5連ブレスレット、そしてカルティエウォッチの定番であるローマンインデックスに青焼きの剣型針、四角いレイルウェイトラックが挙げられる。その他、ベゼルに打たれた8個のビスも特徴だ。サイズは現在、縦25x横21mmのミニと、縦30×横22mmのスモール、縦37mm×横27mmのミディアムの3サイズ展開である。
似た特徴を多く有するレディスウォッチに、2017年に生産終了した「サントス ドゥモワゼル」がある。しかしパンテールとサントス ドゥモワゼルでは、後者がビス打ちのないフラットなベゼルであるほか、全体的にすっきりと平面的な構造を持つ点に違いがあった。この2モデルを見比べたときにこそ「パンテール」はその名を冠した理由がよく分かるだろう。パンテールとはフランス語でヒョウ(英語でパンサー)を意味する言葉だ。その名の通り、パンテール ドゥ カルティエはヒョウのボディーラインをイメージした流麗な曲線が際立っている。
カルティエで最初にパンテールが登場したのは1914年、ダイヤモンドとオニキスでヒョウ柄を表現したレディスウォッチにさかのぼる。そこから現在に至るまで、ブローチやリング、ネックレスなど、さまざまなジュエリーにパンテールモチーフが採用されてきた。そのDNAを継ぐパンテール ドゥ カルティエは1983年に誕生し、2008年頃に一度生産終了しものの、根強い人気を保ち続けて17年に復活を果たしている。
今回の写真が撮られたのと同年の2017年のゴールデングローブ賞授賞式では、政治色の濃いスピーチを行い拍手喝采を浴びたメリル・ストリープ。凜とした内面的な強さを引き出すパンテールは、実に彼女と好相性だ。
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