サイズアップに踏み切ったロレックスの最新サブマリーナーの実力とは?

2020.11.01

基本的なコンセプトは一切変えないまま、コレクションを進化させるロレックス。2020年9月に発表された新しいサブマリーナーは、そんな同社ならではの新作だ。注目を集めたのは1mm大きなサイズ。しかし、実に細やかな改良が施されている。

サブマリーナー デイト

サブマリーナー デイト
Ref.126610LN。待望の32系を搭載したサブマリーナー デイト。直径が1mm大きくなったが、見た目はほぼ変わりない。自動巻き(Cal.3235)。31石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約70時間。SS(直径41mm)。300m防水。87万8000円。
奥山栄一:写真 Photographs by Eiichi Okuyama
広田雅将(本誌):文 Text by Masayuki Hirota (Chronos-Japan)

サイズアップしても変わらない完成度

 2015年にリリースされたキャリバー13235(以降32系と呼ぶ)は、既存の31系をベースにしながらも、大幅に性能を高めたムーブメントだった。20年9月にお披露目された新型サブマリーナーは、多くの愛好家の予想通り、その32系を搭載したものとなる。パワーリザーブは約70時間に延びたほか、パラクロム・ヘアスプリングによって、耐衝撃性と耐磁性も大きく高めた。併せて、直径も41㎜に拡大されている。

サブマリーナー デイト

サブマリーナー デイト
グリーンのセラクロムベゼルを備えたRef.126610LV。モノブロックのオイスターケースでは、サイズ=重さだ。しかし、サイズアップにもかかわらず、ブレスレットの装着感は悪くない。スペックは上記モデルに同じ。91万8000円。

 2000年以降、ロレックスはケースとブレスレットの完成度を大きく高めた。まずヘッドが重くなり、対応してブレスレットも重くなり、装着感を改善するためバックルに微調整機能を付ける。ロレックスはパッケージングを崩すことなく外装の質感改善に成功したが、控えめに言っても、最新のモデルは大きく重くなりすぎた。

 それを意識したのかは不明だが、新しいサブマリーナーはラグが細身になり、ブレスレットもわずかに薄くなったように感じる。足すだけでなく、ついに引くところを引いた点が、小さな、しかし大きな変化と言えそうだ。相変わらず、時計としての出来映えは文句の付けようがない。

サブマリーナー

サブマリーナー
日付表示のないCal.3230を搭載したのがRef.124060。個人的には、価格を含めてもっとも好ましいモデルだ。日付表示をのぞいて、デイト付きモデルとの差はない。31石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約70時間。SS(直径41mm)。300m防水。77万7000円。

 個人的に注目したいのが、新しいオイスター パーペチュアルだ。デイトなしのこのモデルは、いわばロレックスの基本的特徴をすべて備えており、ベーシックな魅力をストレートに味わえる。20年は39㎜と26㎜をディスコンにし、サイズアップした41㎜と28㎜を追加した。どのモデルも、ヘッドとブレスレットのバランスは相変わらず秀逸で、重くもないため、普段使いに向く。

オイスターパーペチュアル 41

オイスターパーペチュアル 41
既存の39mmモデルに替わるのが、直径41mmのRef.124300。なんと文字盤の色は7種類もある。ブライトブルーの発色は見事。価格もきわめて戦略的だ。Cal.3230。31石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約70時間。SS(直径41mm)。100m防水。56万5000円。

 もっとも、ロレックスの常で、新作は相変わらず入手しにくいようだ。時計として優れているだけに、もう少し手に入れやすくなるとありがたいのだが。

Contact info: 日本ロレックス Tel.03-3216-5671


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