「ハリー・ポッター」「ファンタスティック・ビースト」シリーズの作者J.K.ローリングの選ぶ腕時計は?

一流のセレブたちは一体どんな腕時計を選ぶのか? 世界のセレブたちのプライベートなワンシーンを切り取り紹介する連載コラム「セレブウォッチ・ハンティング」。今回は「ハリー・ポッター」「ファンタスティック・ビースト」シリーズの作者として知られるJ.K.ローリングが選ぶ腕時計を紹介しよう!

J.K.ローリング

J.K.ローリング

Photograph by PA Images/Aflo

 70以上の言語に翻訳され、世界での累計発行部数が5億部以上という大ヒットを記録した「ハリー・ポッター」シリーズの生みの親、J.K.ローリング(本名ジョアン・ローリング)。貧しさと闘うシングルマザーから、世界的ベストセラー作家へと変身を遂げたことでも知られる。同シリーズのスピンオフ映画「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」では脚本にも挑戦しており、その才能はとどまることを知らない。

ケープコッド

 今回はJ.K.ローリングの2007年の写真にフォーカスしてみた。2007年といえば、「ハリー・ポッター」シリーズの第7巻「ハリー・ポッターと死の秘宝」が公開された時期だ。サイン会でファンと交流する彼女の左手首を見てみよう。写っているのは、2重巻きストラップ(ドゥブルトゥール・レザーストラップ)が特徴のレディスウォッチ、エルメスの「ケープコッド」である。


エルメス「ケープコッド」

ケープコッド

© Hermès
クォーツ。SSケース(縦23×横23mm)。3気圧防水。ドゥブルトゥール・レザーストラップ(ヴォー・バレニア素材)。32万7000円(税別)。(問)エルメスジャポン Tel.03-3569-3300

「ケープコッド」は1991年に誕生したエルメスのアイコニックウォッチだ。そのケースデザインの着想源は、アンカーチェーンの形をしたシルバーブレスレット「シェーヌ・ダンクル」にある。アメリカ東海岸にある高級リゾート避暑地の名称と、優美な曲線美が与えられた腕時計がコンサバティブなファッションを愛好するJ.K.ローリングに選ばれた。

 ケープコッドの中でも、J.K.ローリングが着用するのは、長いストラップを手首に2回巻き付ける“ドゥブルトゥール(2重巻き)”モデルだ。このストラップは防水性に富んだカーフレザー製のヴォー・バレニアであり、インターチェンジャブル式となっている。他にも豊富なカラーや素材を展開するエルメス製の高品質なストラップを、装いに合わせて取り替えられることもこの腕時計の大きな魅力である。

 エルメスは1837年にフランス・パリで高級馬具工房として創業し、レザーの取り扱いで発展してきたメゾンだ。時計製造を開始したのは1920年代である。初期の頃は他社製の時計本体に自社のストラップやシースを組み合わせた時計を手掛け、最近ではApple Watchとのコラボレーションも行う。ストラップ製造のみならず、78年にはエルメスの時計専門の子会社である「ラ・モントル・エルメス(現エルメス・オルロジェ社)」をスイスのビエンヌに設立し、自社製ムーブメントの開発を始めて本格的に時計製造に乗り出した。現在ではヴォーシェ・マニュファクチュール・フルーリエやアジェノーとも提携し、さらに個性豊かで突出した複雑時計を生み出す実力派ブランドとして時計業界でも地位を確立している。

 J.K.ローリングの腕時計は、このように発展を遂げてきたエルメスの原点が垣間見えるレザーベルト付きの腕時計だったのである。

エルメト

© Paul Lepreux
エルメスとモバードが共同で製造した、スライドして開閉するシャッターシステムによって自動的に巻かれるポケットウォッチの「エルメト」。エルメスのレザー製シースが採用されている。1928年製。

高井智世

2020年11月13日掲載記事


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