ミネルバの初期の懐中時計からインスピレーションを得て誕生した「モンブラン 1858」コレクションは、山岳探検のための贅沢なツールウォッチとして考案されてきた。このたび同コレクションより、世界的な登山家のひとりであるラインホルト・メスナーとのコラボレーションによる「モンブラン 1858 ジオスフェール」の限定モデルが発表された。
Text by Mark Bernardo
(2020年11月25日掲載記事)
モンブラン「モンブラン 1858 ジオスフェール リミテッドエディション メスナー 262」
「モンブラン 1858 ジオスフェール リミテッドエディション メスナー 262」は、2018年の初出モデルと同様に北半球と南半球を表すふたつの回転ディスクを備えた特徴的なワールドタイム表示の搭載機である。今回のモデルはイタリアの探検家、登山家、作家であり、初のエベレスト単独登頂成功や、犬ぞりやスノーモビルを使用せず徒歩で南極大陸を横断するなどの偉業を成し遂げたラインホルト・メスナーに捧げる腕時計として、いくつかの特別仕様が加えられた。ケースはポリッシュとサテン仕上げが組み合わされた直径42mmのブロンズ製で、ブルーダイアルとローズゴールドカラーのアクセントが配されている。刻みのついた両方向回転ベゼルにはブルーセラミックスのインサートが施され、方角を示すコンパスモチーフのあしらいがある。
特筆すべき本機の特徴は、半球を表す2枚のディスクに、「メスナーのリスト」に記され、メスナーが厳しい闘いを挑んできた7大陸の山々と、モンブランの山頂の位置の合計8点が赤いドットで示されたことだ。3時位置にはデイト表示、9時位置には第2時間帯のサブダイアルが配され、1858 コレクションの特徴であるカテドラルシェイプの針が採用されている。
また暗所での視認性を確保するために、マルチカラーの蓄光塗料が巧みに採用された。時、分、第2時間帯を表示する針、そしてベゼルの方角を示すコンパスの表示にはグリーンのスーパールミノバが、地球儀上の大陸、アラビア数字とインデックスにはブルーのスーパールミノバが施されている。ソリッドケースバックにはモンブランの山のモチーフ、コンパス、登山用の2本のピック、そして「メスナーのリスト」が刻印された。ムーブメントにはキャリバーMB29.25を搭載。これはセリタSW 300-1をベースにモンブランが自社開発したモジュールが組み合わせられ、毎時2万8800振動、約42時間のパワーリザーブを保持している。
本機に採用されているブルーのNATOストラップもモンブランで新しくお披露目されたものだ。これはフランスのジャガード織機で複雑な工程を経てハンドメイドで作られたものであり、非常に軽量でありながら速乾性に優れている。また1本1本の細い糸に染色され、時間が経っても色落ちもしにくいものとなっている。
メスナーがその輝かしいキャリアの中で制覇してきた2万6200フィートを超える山々にちなんで、販売本数は世界限定262本と設定された。
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