映画俳優シルヴェスター・スタローンが1996年の映画「デイライト」で着用したパネライ ルミノールをはじめとする腕時計が、オークションハウス「フィリップス」の旗艦オークション「レーシング・パルス」に出品される。同オークションへは他にも、70年の映画「栄光のル・マン」でスティーブ・マックイーンが着用したホイヤーのモナコや、ポール・ニューマンが所有していたロレックスのデイトナなどが出品予定で注目を集めている。
(2020年11月24日掲載記事)
シルヴェスター・スタローンが着用したパネライ ルミノール
スタローンが出品するルミノールRef.PAM5218-201/Aは、パネライの歴史の中でも特別な位置付けにある時計だ。1860年に創業したパネライは当初、イタリア海軍向けのダイバーズウォッチと精密機器の製作を専門とし、市販の腕時計は手掛けなかった。しかし1993年に自社の初期モデルの復刻モデルを作り、民間向けの展開を始めた。これが677本のみが生産されたと言われている「プレヴァンドーム」のロゴを持つRef.PAM5218-201/Aだ(パネライがヴァンドーム グループ、つまり現在のリシュモン グループの傘下となる前の93年から97年にかけて製作された時計がプレヴァンドームと呼ばれる)。市場に現れてから間もない90年代、パネライを知る人は世界にまだ多くなかった。これらの数少ないモデルのうちの1本が、人知れずスタローンのものとなったのだ。
スタローンはイタリア滞在中にパネライと出合い、その頑丈な作りと大きなケースサイズを気に入ってオリジナルモデルを注文し、そして完成したRef.PAM5218-201/Aを映画「デイライト」で着用した。スタローンとパネライのつながりは深まり、やがて「スライテック(SLY TECH)」モデルも生まれた。スライテックとはスタローンのニックネームである「スライ」から取った名称だ。世界的に有名なハリウッドスターが惚れ込んだ時計ブランドとして、パネライの知名度は一気に高まった。
スタローンは「デイライト」撮影中に始終Ref.PAM5218-201/Aを身に着けており、彼は「この時計とともに映画の中であらゆる困難を乗り越えた」とコメントを寄せている。
時計はスタローン自身によって直接委託されたものであり、フィリップスはこの時計を「素晴らしい保存状態にあり、オリジナルのシャークスキンのストラップに、オリジナルのプレヴァンドームバックルが装着されている」と説明する。オリジナルボックス、プレヴァンドームのロゴ入りバックルの付いたストラップ2本、オリジナルの真鍮ドライバー、それからスタローン直筆のサインと、「デイライト」製作スタジオからのオリジナルロビーカードが付属する。落札予想価格は4万~8万USドルと設定されたが、結果やいかに。
スタローンは「レーシング・パルス」において合計5本の時計を自身のコレクションから出品する。ルミノールの「デイライト」モデルの他、リシャール・ミルの4本だ。映画「エクスペンダブルズ3」で着用した「RM 032」や、リシャール・ミルとのコラボレーションで生まれた「RM 25-01 アドベンチャー トゥールビヨン クロノグラフ」などである。「レーシング・パルス」オークションは、ニューヨークで2020年12月12日に開催される。
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