大胆なデザインと革新的な機構の採用、そして揺るぎない発想こそがマキシミリアン・ブッサーとそのフレンズ(MB&F)にとっての信条である。これらを胸にMB&Fはオロロジカル・マシンを製作してきた。今回はそのオロロジカル・マシンのコレクションから、10年ぶりに復活を遂げた「HM3 フロッグ」の新作、「HM3 フロッグX」を紹介する。
(2020年12月2日掲載記事)
MB&F「HM3 フロッグX」
MB&FのHM3 フロッグXは2010年に発表されたオロロジカル・マシンの第3作目を10年ぶりに復活させたモデルだ。
10年ぶりに復活を遂げたHM3 フロッグ
大胆なデザインと革新的な機構の採用、そして揺るぎない発想というMB&Fの伝統を忠実に反映させたHM3フロッグが発表されたのは2010年のこと。時分表示を球状の「目」に、またバトルアックス(戦斧)型の自動巻きローターを口に見立てた同作は当時、手首の上で抜群の存在感を放っていた。
この特別なタイムピースの誕生10周年を称え、20年に発表されたのが「HM3 フロッグX」だ。今回の新作では、HM3の“エンジン”をより楽しむことができるような配慮がされている。ケースにサファイアクリスタルが採用されたのだ。そのため、これまでケースで隠れてしまっていたムーブメントの受けなどをより広範囲に眺めることができる。
しかし、旧作同様、HM3で最も見所となるのは、5時位置と7時位置に設けられた紙のように薄いふたつのドームだ。前者が「分」を、後者が「時」をカエルの瞳孔のようなマーカーの下で回転しながら表示しているのだ。
隠されたバトルアックス
リュウズを使って巻き上げや時刻調整をする際、他のMB&Fモデル同様、日本のロボットアニメ「グレンダイザー」からヒントを得たバトルアックスの存在をリュウズにも探そうとするかもしれない。しかし、リュウズそのものには、このマークが記されていない。
しかし、さすがはMB&F。HM3フロッグXには、正しいアングルと光の反射条件のもとだけで見える、隠されたコールサインがあるのだ。金属製リュウズを顕微鏡レベルで仕上げることにより、光を非常に特別な形で反射し、バトルアックスを投影するのだ。
HM3フロッグXには3つの仕様がそれぞれ限定10本で展開され、ブルー、パープル、ターコイズのローターとそれぞれのカラーにマッチしたスーパールミノバとガスケットが採用されている。
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