ラバーストラップにゴールドを組み合わせた腕時計が近年、好事家たちの注目を浴びているが、1980年当時、この型破りな発想は革命的なものだった。1980年にイタリア人起業家カルロ・クロッコが設立したウブロというブランドは、このような時計のコンセプトに「フュージョン」と名付けて世に送り出し、その後数十年にわたる自社の道筋を示した。2020年、ウブロは創業40周年を記念して、画期的なオリジナルモデルを復活させた。そのクラシック・フュージョン40周年記念モデルについて紹介しよう。
Text by Mark Bernardo
(2020年12月9日掲載記事)
クラシック・フュージョン40周年記念モデル
クラシック・フュージョン40周年記念モデルは3種類のケース素材が用意され、いずれもサイズは直径45mm、ブランド名の由来となったねじ留めの「舷窓」ベゼルを採用している(「ウブロ(hublot)」はフランス語で「舷窓」を意味する)。3モデルとも販売本数には限りがあり、中でも1980年の先駆的なモデルを最も想起させる18Kイエローゴールドモデルは、100本の限定だ。現代のウブロを色濃く映すチタンとブラックセラミックスの2モデルはそれぞれ200本限定である。いずれのケースもサテン仕上げとポリッシュ仕上げが組み合わされている。
ブラックラッカーのポリッシュ文字盤には、時・分・秒のファセット針が配され、秒針のカウンターウェイトにはウブロのロゴマークが施されている。
クラシック・フュージョン コレクションのシンプルな文字盤は、ウブロのもうひとつの基幹モデル「ビッグ・バン」とは対照的だ。ビッグ・バンは2004年にウブロのCEOに就任した現会長のジャン-クロード・ビーバーが2005年に発表したものであり、ウブロが人気の新たな高みへと昇る源となったモデルだ。クラシック・フュージョンはビッグ・バンよりも控えめでドレッシーなモデルとして存在してきた。今回の40周年記念モデルはそのスタイルを純粋に表現したものとなっている。
クラシック・フュージョン40周年記念モデルに搭載されているムーブメントは、1980年モデルに搭載されていたクォーツムーブメントを大幅にアップグレードしたもので、よりラグジュアリーウォッチらしさをもたらしている。3モデルともに搭載するのは自動巻きキャリバーHUB1112だ。貴金属製ケースとブラックラバーストラップを初めて組み合わせた初代モデルの破壊的なアプローチを踏襲し、全モデルに同じスタイルのストラップを採用する。
15年前に"The Art of Fusion "という言葉をウブロのスローガンとして掲げたのはジャン-クロード・ビバーであったが、現CEOのリカルド・グアダルーペは、フュージョンのコンセプトはブランドの中心にそのごく初期から存在したことを強調し、本モデルを「過去40年間のウブロの革新的なアプローチを称えた真新しい現代版」と位置付けている。
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