〝時計であること〟を追求した直感的コネクテッドウォッチの新機軸/VELDT LUXTURE Model IG(ヴェルト ラクスチュア モデルIG)【動画あり】

FEATUREその他
2020.12.21

Riiiver搭載機としての実力

 スマートウォッチらしからぬ簡潔さを持つラクスチュアは、操作性もやはりシンプルだ。スマートフォンに専用アプリをインストールし、Bluetoothでラクスチュアと接続した後、2時位置と4時位置のボタンに表示したい機能を割り振りするだけ。天気、世界時計、スケジュール、タイマー、月齢、温度、日の出日の入り、波情報、空気質指数といった各種表示は、ボタンを1度、または2度押すだけで呼び出せる。正直、スマートウォッチとしては最も簡単に使えるものだろう。

Riiiver

ラクスチュアの新しい魅力が、自分だけのオリジナル機能「iiidea(アィイデア)」だ。専用のアプリを使うことで、簡単にソフトウェアを作れるだけでなく、その共有も可能になる。左はソフトウェアの製作画面、右はそのページである。

 加えてラスクチャーでは、今までのスマートウォッチにはない機能を使うことができる。それが、ヴェルトとシチズンが共同開発した、サービス・プラットフォームの「Riiiver(リィイバー)」だ。Riiiverとは、「トリガー」「サービス」「アクション」の3パーツをアプリ上で組み合わせるだけで、自分だけのオリジナル機能「iiidea(アィイデア)」の製作や共有が可能というもの。

 自分にとって必要なソフトウェアを製作し、ラクスチュアで使うことができるだけでなく、すでに存在する100以上のサービスを使うことができるというものだ。ヴェルトは控えめにしかアナウンスをしていないが、IoTデバイスとネットサービスをつなげるサービスをスマートウォッチで使えることが、極めて画期的なのである。

LUXTURE Model IG

デザイン同様、ラクスチュアのインターフェイスはかなりシンプルだ。専用のアプリを使って、2時位置のボタンにどの機能を割り当てるかを決める。写真は、2時位置のAボタンを1度押すと、日の出日の入りを表示。2度押すと地球の温度を表示する。4時位置のBボタンを1度押すと天気が表示され、2回押すと呼吸ガイドが表示される。右はBボタンを2度押しし、「呼吸」の状態になった写真。空気の吸う/吐くタイミングを光の点滅によって教えてくれる。下の動画は実際に「呼吸」を表示している様子だ。

 Riiiverの使い方を例示したい。時計のボタンを押すことで、今自分がいる場所を家族にメールで知らせ、送信が完了したら光でそれを知らせるとする。普通ならばプログラムを打つ必要があるが、Riiiverではそれぞれのトリガー(T)と、サービス(S)と、アクション(A)を組み合わせるだけ。もちろん、ソフトウェアに慣れた技術者ならば、より高度な機能をラクスチュアに行わせることが可能になる。表示する情報を過不足なく伝えるだけでなく、そのカスタマイズも可能というのは。類を見ない試みだ。



 ソフトウェアを作りたくない人は、すでに出来上がったソフトウェアを使うこともできる。これも簡単だ。アプリを起動させて、iiideaストアを開くだけ。ストア内では、キーのロック/ロック解除、雷確率といった、他にはないユニークなソフトウェアが見つかる。ちなみにオリジナルソフトのセッティングは、標準のものと同じ。2時位置か4時位置のボタンに操作を振り分ければ、自分専用のソフトをラクスチュアで使うことができる。


IoTプラットフォームとしての未来

LUXTURE Model IG

右は氷と陸地の景観をイメージしたローズ・ブラウン、左は夕暮れ時に氷を通して透き通るオレンジカラーのモデル。スタイリッシュなクロノグラフに見えるが、ラクスチュアとは、その高機能を感じさせない新世代のスマートウォッチである。加えてRiiiver(リィイバー)は、IoTのプラットフォームとしての可能性をこのモデルにもたらした。

 スマートウォッチらしからぬ意匠と、時計としての高い完成度を両立させたラクスチュア。光と振動で情報を伝えるというアイデアも、時計としてのバランスを破綻させることなく、見事にビルトインされている。しかしこのモデルを、ヴェルトが追求してきた、洗練されたスマートウォッチの完成形と見なすのは早計だろう。ラクスチュアがはるか先に示すのは、スマートウォッチ、つまり「時計」がIoTのプラットフォームになりうる、という大きな未来なのである。


Contact info: https://veldtwatch.jp/