パネライの新作「ルミノール レフトハンド」がそのベールを脱いだ。イタリア語で右側の意味を持つ「デストロ」と呼ばれる左利き用のモデルは、たびたび登場するもののどれも生産本数が少ない希少な時計だ。今回発表された47mmケースにベージュカラーの文字盤を備えた新作も、250本しか生産されない限定モデルとなっており、収集家向きのコレクターズアイテムである。価格は105万円(税別)。
手巻き(Cal.P.3000)。21石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約72時間。SS(直径47mm)。10気圧防水。世界限定250本。105万円(税別)。
[2021年1月23日掲載記事]
ヴィンテージライクなベージュカラーをまとった“デストロ”モデル
ここのところ新素材や新デザインといった、ややもすると同社の保守的なファンを戸惑わせる展開を行ってきたパネライ。そのため、オーソドックスなステンレススティール製「ルミノール レフトハンド」の登場は、パネリスティに喜びを与えてくれた。
左利き用の時計、レフトハンドもしくは「デストロ」と呼ばれるモデルは、同社の歴史の一部であったことを思い出してほしい。
イタリア海軍の兵士達は、作戦開始時の行動を合わせる場合や潜水時間を計るのに不可欠なツールである時計だけでなく、コンパスや測深器を手首に着ける必要があった。その中には、利便性を理由に時計を右手に着用したいという要望があり、同社はその要望に答えるべく、リュウズを9時位置側に備えたタイムピースを考案した。
これが今回のモデルのバックグラウンドであり、現時点ではその他に新作のリファレンス番号がPAM01075であること、250本の限定生産であることが知られている。
デストロモデルに、明るいベージュカラーでグレイン仕上げが施された文字盤が採用されたのは初めてである。インデックスと時分針にはベージュのスーパールミノバが塗布され、文字盤がワントーンでまとめられている。サファイアクリスタルではなく、プレキシガラスを風防に採用することで、全体をヴィンテージ感漂う魅力的なモデルに仕上げている。
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今回のルミノール レフトハンドで採用されているのは、直径47mmのステンレススティール製ケースだ。ケースにはサテン仕上げが、ベゼルはポリッシュ仕上げが施されている。搭載するのは手巻きムーブメントのキャリバーP.3000。同社の自社製で、約3日間のパワーリザーブを持つこのムーブメントは、シースルーバックから鑑賞可能だ。
ベージュのステッチの入ったブラウンのレザーストラップが合わせられ、ブラックのラバーストラップが付属する。非常に美しいピースなので、取扱店のショーケースにあまり長い間とどまってはいないであろう。
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