フランス・パリの時計用品店「ミスタークロノ」より、自動巻き用ワインディングマシーン機能を持つユニークなローテーブルが発売された。テーブルのベース部分を兼ねるワインディングマシーンは、日産製のレーシングエンジンを改造したものだ。
2021年2月9日掲載記事
時計サイト「MONTRES DE LUXE」の運営と記事の執筆を行うジャーナリスト、ジャン・フィリップ・タロはミスタークロノという時計ショップの共同経営者という一面も持つ。ミスタークロノは「時計を置かない時計ショップ」というコンセプトのもと、ストラップやワインダー、収納ボックスといった、時計関係のアイテムを取り扱う用品店だ。同ショップはフランス・パリの本店ほか、香港とシンガポールにも支店を持つ。
そんなミスタークロノより、同店が長い期間をかけて準備してきた、非常に特別なプロダクトが発表された。特別なプロダクトとは腕時計用のワインダーが付いたローテーブルである。驚くべきは時計用ワインダーが、日産製V8エンジンをベースに作られている点だ。
その姿を見れば、このローテーブルが高い独創性と希少性によって成立していることがよく分かるだろう。ガラス製ローテーブルの「足」に該当する部分には「FIA世界耐久選手権」のル・マンプロトタイプ2、通称LMP2クラスに参戦していたニッサン・モータースポーツ・インターナショナル(NISMO)のVK45DEエンジンが使われているのである。
約30㎏という重量を持つ“家具”の製作には数カ月が費やされている。まずエンジンを探すことから始められたこのプロジェクトは、エンジンの入手後、入念なクリーニングとメッキの再仕上げが行われた。
その後、V8エンジンというレイアウトを生かすため、8本のシリンダーはそのまま8つのワインディングマシーンに改造された。それぞれに独立したワインディングプログラミングを施すことが可能なため、自分のコレクションの自動巻き時計を個別に最適な巻き上げを行うことができる。
なお、このプロダクトはあくまで「テーブル」である。そのため、4本のピストンをクランクケースの四隅に固定し、その上に65cm×75cmサイズのガラスが載せられた。
1台のみが製作されたこのローテーブルは、5900ユーロで販売中だ。
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