Q:なぜ機械式時計は衝撃に弱いのですか?
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2021年2月14日掲載記事
A:小さいケースの中に、数百もの部品が埋め込まれた精密機械だから
機械式時計の弱点が、水、磁気、そして衝撃。前ふたつはかなりクリアされてきましたが、衝撃だけは、いまだに多くの機械式時計にとっての鬼門です。
直径4cm程度のケースに、数百もの部品を詰め込んだ機械式時計は、かなりの精密機器。いくつかの部品は1000分の数mmという単位で組み込んであるため、強いショックを受けると壊れる場合があるのです。また、心臓部に使われるヒゲゼンマイも、ショックを与えると歪む場合があります。
細かい部品を直径4cm前後のケースに数百点と組み込んだ機械式時計はまさに精密機械。そのため、衝撃は極力避けた方がいい。特に精度を司るテンプへ強いショックが加わると、ヒゲゼンマイが歪んだり、緩急針がズレたりといった問題が生じる。
とりわけ注意したいのは、部品点数の多い複雑時計や、ケースの薄い薄型時計。今のものは以前と比べれば丈夫になりましたが、時計を着けて拍手したり、腕を大きく振るのは避けた方がいいでしょう。
では、どういう時計がショックに強いのか。「ケースの厚い時計」「フリースプラングテンプという機構を採用した時計」、または「ケースの中に衝撃を吸収する部品を組み込んだ時計」などです。いわゆるスポーツウォッチの多くが厚いケースを持つ理由は、防水性能を高めるほか、ショックに強くするためです。
ゴルフやテニスの衝撃に耐えられるものはごくわずか
とはいえ、こういった時計でも、ゴルフやテニスは避けた方がいいでしょう。リシャール・ミルやヤーマン・ストゥービのように、ゴルフのインパクトに耐えられるほど頑強な時計は、そう多くないのです。
エクストリームウォッチ最前線(前編)
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リシャール・ミル「RM 27-04 トゥールビヨン ラファエル・ナダル」軽さと強さの相関関係
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ぜんまい知恵袋〜時計の疑問に答えます〜/時計への衝撃、どれくらいならOKなの?
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