パネライがフランスのフリーダイビングのチャンピオン、ギヨーム・ネリーとパートナーシップを組んだのが、2019年のこと。以来、パネライはギヨーム・ネリーの名を冠したモデルを毎年送り出してきた。そして21年1月、新たなコラボレーションモデル「ルミノール マリーナ 44mm – ギヨーム・ネリー エディション」が発表された。
Text by Mark Bernardo
2021年2月24日掲載記事
DLMSによって実現した軽量な中空ケース
パネライとフリーダイバー、ギヨーム・ネリーの最新パートナーシップモデルが「ルミノール マリーナ 44mm – ギヨーム・ネリー エディション」だ。これまでのギヨーム・ネリーモデルがサブマーシブルベースだったのに対し、同作では初めてルミノール マリーナをその題材としている。
直径44mmのケースはサンドブラスト仕上げのDMLSチタン製である。DMLSはDirect Metal Laser Sintering(直接金属レーザー焼結方式)を意味し、3Dプリント工程を用いてチタンを成形していくものだ。ケースを中空にすることが可能なため、300m防水のスペックを与えながら、より軽量に仕上げることができる。
自動巻き(Cal.P9010)。31石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約72時間。DLMS製法による中空チタンケース(直径44mm)。300m防水。209万円(税別)。
また、ベゼルにラバーコーティングが施されている点も特徴のひとつだ。パネライが現在の時計作りにもたらした多くの技術革新同様に、この特別に開発されたケースも自社内にある「アイデアの工房(Laboratorio di Idee)」から生まれたプロダクトだ。
サファイアクリスタル製ドーム型風防の下には、「海水を透過した太陽光が生み出す陰影」を想起させるグラデーション文字盤が収められる。このサンドイッチ構造を持つ文字盤には、特徴的なアラビア数字インデックスとバーインデックスが配され、スモールセコンドは9時位置、日付表示の開口部は3時位置に設けられている。
自社開発Cal.P9010を搭載
搭載するムーブメントは自社製Cal.P.9010。厚さ6mm、200のパーツ、31石から構成されている。自動巻きの上、ツインバレルによって約72時間のパワーリザーブも実現しているため、使い勝手に優れる印象だ。
パネライのその他のムーブメント同様に、より正確な時刻調整のためにテンプをストップさせる機構やスモールセコンドに影響を及ぼさずに時針を調整する機能などが備わり、タイムゾーン変更時やデイト表示を迅速に変更する必要がある際に実用的である。
ルミノール マリーナ 44mm – ギヨーム・ネリー エディションは、ねじ込み式の12角形ケースバックにギヨーム・ネリーのサインと同氏がダイビングしているイメージがエングレービングされている。ストラップのブラック面は、リサイクルされたPET樹脂を使用したもので、台形の尾錠が付属している。
またホワイトのラバーストラップと、バックルの取り外しやストラップ交換に使用するスクリュードライバーが同包されている。このモデルは限定70本の販売で、70年保証が付属する。価格は209万円、パネライブティックの限定だ。
Contact info: オフィチーネ パネライ Tel.0120-18-7110
https://www.webchronos.net/features/45309/
https://www.webchronos.net/iconic/26801/
https://www.webchronos.net/features/51267/