「スター・ウォーズ」シリーズなどを手掛ける映画監督、ジョージ・ルーカスの腕時計は?

一流のセレブたちは一体どんな腕時計を選ぶのか? 世界のセレブたちのワンシーンを切り取り紹介する連載コラム「セレブウォッチ・ハンティング」。今回は「スター・ウォーズ」や「インディ・ジョーンズ」などの世界的な大ヒットシリーズで知られる映画監督・プロデューサー、ジョージ・ルーカスの腕時計を紹介しよう!

2021年3月5日掲載記事

ジョージ・ルーカス

ジョージ・ルーカス

Photograph by Jean-Louis Atlan/Paris Match via Getty Images

 1944年5月14日生まれ、米国カリフォルニア州出身のジョージ・ルーカス。1973年に「アメリカン・グラフィティ」でメジャーデビューを果たし、77年に「スター・ウォーズ」で世界に旋風を巻き起こした。スティーヴン・スピルバーグ、ジェームズ・キャメロンと並んで世界で最も商業的に成功し、ハリウッドを代表するひとりとして評価されるだけでなく、米国史上において最も成功した著名人のひとりとして世界的に知られる人物である。このSF映画界の巨匠は、どんな腕時計を選ぶのだろうか。

スウォッチ・アイロニー YAS100

 架空の武器「ライトセーバー」を前に写るこの写真は、2005年に撮られた1枚である。2005年といえば、「スター・ウォーズ」の登場人物アナキン・スカイウォーカーがフォースの暗黒面に堕ち、ダース・ベイダーと銀河帝国が誕生する悲劇を描いた「スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐」が公開された年だ。
 このときのジョージ・ルーカスの左腕には、過去8年にわたり着用が確認されてきたものと同じ愛用の腕時計が写っていた。その腕時計とは、シースルー仕様が特徴的なスウォッチの「スウォッチ・アイロニー YAS100」だ。


スウォッチ「スウォッチ・アイロニー YAS100」

 おなじみ「スウォッチ」は、スウォッチ グループの創業者、ニコラス・G・ハイエックが1983年に設立したブランドである。スウォッチ誕生当初の目的は、70年代より世界の腕時計市場を席巻していた日本製のクォーツウォッチからシェアを巻き返すこと。特徴はプラスティックケースに直接ムーブメントをはめ込んだシンプルな構造と、廉価な価格帯にある。またユニークでバリエ-ション豊富なデザインが人気を博し、90年代初頭には大ブームを巻き起こし、多くのコレクターを生んだ。

 ジョージ・ルーカスの着用モデル「スウォッチ・アイロニー YAS100」は、ステンレススティールケースに自動巻きキャリバーETA2841-1を搭載するモデルである。このコレクションは"皮肉"や"運命の意外ななりゆき"を意味する「Irony」をモデル名に冠する通り、「スウォッチ=プラスティック」という定義から外れて、メタルケースで重厚感を追求したモデルだ。スウォッチは常時250から300種類程度のラインナップを取り揃える。価格帯は7000円から3万5000円であり、「スウォッチ・アイロニー」はこの上位に属するコレクションだ。

 ジョージ・ルーカスは「スウォッチ・アイロニー YAS100」の発表された1997年よりこの腕時計を着用していた。シースルーの手法は文字盤を廃したシンプルな方法であるが、露わになった機械部分の中心に据えられた、独特な丸みを持った筒車の形状などがひとクセある印象を強く醸し出している。時分針には蓄光塗料も塗布され、暗所でも時間を読み取ることができる。ジョージ・ルーカスは映画の構想を練る瞬間、これらの機械駆動を眺めることもあっただろうか。

スウォッチ・アイロニー YAS100

「スウォッチ・アイロニー YAS100」。自動巻き(Cal.2841-1)。21石。2万1600振動/時。ステンレススティールケース(直径37.4mm)。3気圧防水。1997年発表。販売終了。(問)スウォッチ コール Tel.0570-004-007

高井智世

2021年3月5日掲載記事


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