オリスが10年間で送り出した環境保護活動支援モデルを一挙紹介

オリスは、地球が直面しているさまざまな環境問題に取り組むため、2010年から複数の環境保護支援モデルを発表してきた。同社が掲げる哲学「Go Your Own Way」の一環として行う環境保護活動の内容と、その歴代モデルを振り返る。

海を守るというオリスのビジョン

　オリスの掲げる哲学が「Go your own way」（自分の流儀を貫く姿勢）だ。1904年に創業した同社は、独立した企業として「実用性」に重きを置いたものづくりを続ける腕時計ブランドである。スイスメイドの機械式ムーブメントを採用しながら、高い品質基準を守りつつ自由な発想でユーザーのニーズに応えてきた。展開されるコレクションは多岐にわたり、モータースポーツやダイビング、パイロットなど、幅広い分野のプロフェッショナルから支持される存在となっている。

　その哲学は単なる時計づくりのみならず、分野の壁を超えた環境保護活動でも生かされている。アクイスを筆頭に、さまざまなダイバーズウォッチを製作しているオリスは、ダイバーたちの現場である「海」が瀕する環境危機に着目した。そして我々が住む地球が直面する環境問題に挑むため、あらゆる環境保護活動とそれにちなんだ特別モデルを発表してきた。世界の海を守るという責任は、より良いものを求めて変革するという、オリスが掲げるビジョンの一部なのだ。

　この特集記事では、オリスがこれまでに行ってきた環境保護活動と、その歴代支援モデルを振り返っていく。

2010年：環境保護活動をスタート

　オリスが環境保護活動をスタートさせ、同時に環境保護支援モデルを発表したのが2010年だ。

　オーストラリアの北東クィーンズ州沿岸に位置する「グレートバリアリーフ」は、世界遺産にも登録されている世界最大のサンゴ礁がある場所だが、地球温暖化の影響でサンゴの白化が最悪の速度と規模で起こっている。この問題を重く見たオリスは「グレートバリアリーフ リミテッドエディション」を限定1000本で発売。同モデルが1本売れるごとに50スイスフランの支援金をオーストラリアの海洋生物保護団体「Australian Marine Conservation Society（AMCS）」に寄付することで、環境保護活動への貢献をスタートした。

　グレートバリアリーフ リミテッドエディションはオーストラリアの美しい海をイメージした、ウェーブパターンを施したブルーカラーのダイアルが特徴で、1000mもの非常に高い防水性能を誇る。サンゴをイメージしたというオレンジカラーのスーパールミノバを塗布したインデックスと針を採用し、裏蓋にはAMCSのロゴを大きく配した、特別感満載の1本だ。

2011年：モルディブの環境保護モデルを発表

　オリスは2010年に続いて11年も継続して活動を行った。

　インド洋に浮かぶモルディブは、日本人からも人気の観光地として知られている美しい島国だ。しかし平均海抜がわずか1mしかないモルディブ島は、地球温暖化による海面上昇により2100年頃には水没してしまうと言われている。この危機に立ち向かうため、オリスは限定ダイバーズウォッチ「モルディブ リミテッドエディション」を2000本限定で発売した。

　このモデルの1本の売り上げにつき20スイスフランが、モルディブの環境保護活動を行うNGO団体「ブルー・ピース」に寄付された。実用性を高めるため、ケースとバックルの素材にチタンを用いた本作は、ダイアルとベゼルに深い海を連想させるシックなブルーを採用した。針とインデックスに、熱帯魚やサンゴをイメージした鮮やかなオレンジカラーのスーパールミノバを塗布したほか、ケースバックには雨季に集結することで知られるマンタのイラストが描かれている。

2015年：AMCSの活動をサポートする「グレートバリアリーフ リミテッドエディション」

　少し期間が空いて2015年、オリスは再びオーストラリアの海洋生物保護団体「AMCS」とパートナーシップを結んだ。

　1965年に海洋生物保護団体として設立されたAMCSは、2015年に創立50周年という節目の年を迎えた。絶滅危惧種の保護に特化し、漁業法を守りながら海の汚染をなくすことを目的に活動するAMCSの任務を、オリスは再びサポートすることにしたのだ。

　こうして発表された「グレートバリアリーフ リミテッドエディションⅡ」は、売上金の一部をAMCSに寄付することで環境保護活動に貢献した。アクイスをベースに、海からインスピレーションを得たカラーリングになっている。500mの防水性能を誇り、特筆すべきは文字盤中央のチャプターリングに配された曜日表示だ。ダイアルに配された鮮やかなコーラルイエローは、海中でも高い視認性を確保する。